錦織 178日ぶり白星、右手首問題なし「凄く安心している」

[ 2018年1月31日 05:30 ]

テニス ダラス・チャレンジャー ( 2018年1月29日    米テキサス州ダラス )

ツアー下部大会の男子シングルス1回戦で、デニス・ノビコフを下した錦織
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 男子シングルス1回戦が行われ、世界ランキング27位で第1シードの錦織圭(28=日清食品)は同214位のデニス・ノビコフ(24=米国)を6―3、6―3で下し、右手首の故障から復帰後初勝利を挙げた。錦織の白星は、昨年8月4日のシティ・オープン(米ワシントン)準々決勝以来、178日ぶり。今月23日の復帰初戦で敗れた相手にわずか6日でリベンジし、復活ののろしを上げた。

 舞台はツアー下部大会、相手はランキング200位台の格下、そして会場は会員制スポーツクラブの室内コート。ちょうど1年前、世界ランク5位だった男にとってはどれも物足りないが、この白星の持つ意味は特別だ。「内容としてはまだまだなところは多いけど、手首が良かったので凄く安心している」。心の奥底から湧き出る安堵(あんど)感が、そう語る錦織の表情を覆っていた。

 「30点」と自己採点した復帰戦から大きな進歩を見せた。6日前は持ち味が影を潜めていたが、この日はノビコフ相手にラリー戦に持ち込んだ。第1セットは第7ゲームで初めてブレークすると、第2セットは3―3から3ゲーム連取してストレート勝ち。復帰戦では11本のサービスエースを許したが、球速210キロを超えるサーブを確実に返した。「サーブリターンが凄く良かった。1本目を返すことができたので、そこから得意のラリー戦に持ち込めた」と大きくうなずいた。

 まだ右手首に違和感を残すといい、当面は感覚を取り戻すことが目先の勝利よりも優先と言える。31日には中1日で2回戦を控えており、短い試合間隔に右手首が耐えられるかどうかも、タフなツアーへ復帰できるかどうかの鍵だ。それでも「手首が無事に終われたのが一番安心している。どんどんラケットが振れるようになり、いいテニスができるようになってくると思う」と表情は明るい。

 会場には多くの日本人ファンが駆け付けるなど、改めて注目の高さも示した錦織。トップ10、トップ5復帰へと確実に歩を進める。

 【錦織復帰までの道のり】

 ☆17年8月4日 シティ・オープン準々決勝でポール(米国)に辛くも勝利。準決勝で敗れ、結果的に17年の最後の勝利に。
 ☆8月9日 全米オープンの前哨戦となるロジャーズ・カップの初戦となる2回戦で敗退。
 ☆8月16日 マネジメント会社が右手首の故障を理由に年内全休を発表。
 ☆9月11日 最新の世界ランキングで10位から14位に後退し、約3年ぶりのトップ10圏外に。
 ☆11月27日 東京都内でスポンサー会社のイベントに登場し、18年の目標を「力強く復帰」と記す。
 ☆12月22日 実戦復帰予定だったブリスベン国際(12月31日開幕)の欠場を発表。
 ☆18年1月4日 全豪オープンの欠場を発表するとともに、下部ツアーのニューポート・チャレンジャー(米カリフォルニア州)での復帰を発表。
 ☆1月23日 ニューポート・チャレンジャー1回戦で実戦復帰し、ノビコフ(米国)に3―6、6―3、4―6で敗戦。

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