堀島、光見えた4位 今季最高!世界選手権2冠男が五輪へ復調

[ 2018年1月13日 05:30 ]

フリースタイルスキーW杯モーグル第6戦 ( 2018年1月11日    米国・ユタ州ディアバレー )

男子モーグルで4位になった堀島
Photo By 共同

 男子は昨季の世界選手権2冠の堀島行真(20=中京大)が81・72点で今季自己最高の4位に入った。世界王者としての重圧から結果を残せずにいたが、今季初めて決勝2回目に進み、五輪に向け光明が差した。前日に自己最高の2位となった遠藤尚(27=忍建設)は81・68点で5位。ミカエル・キングズベリー(25=カナダ)が88・80点で開幕6連勝、通算48勝目を挙げた。女子は決勝1回目に進んだ伊藤みき(30=北野建設)の13位が最高だった。

 表彰台にはあと一歩及ばなかった。それでも低迷する王者にとって砂漠で水を得たような4位だった。堀島は「スーパーファイナル(決勝2回目)の経験が欲しかった。しっかり戦うことを経験したのは大きい」と次につながる一歩と定めた。

 予選を5位で危なげなく通過すると、決勝1回目も踏みとどまった。中盤以降に少しターンが乱れたが6位で、上位6人による決勝2回目に今季初めて進出。最後のランは第1エアでダブルフルツイスト(伸身後方1回宙返り2回ひねり)がやや右に流れた以外は安定感のある滑りを見せた。

 昨年の世界選手権ではW杯での優勝経験もないまま2冠の王者に輝いた。ところが、今季待ち構える五輪の存在もあいまって、シンデレラボーイには大きな重圧がのしかかった。五輪の経験もなく、練習を重ねても自分が正しい道に進んでいるのか分からない。シーズン前には「ちょっと苦しい」と漏らすほどだった。

 開幕後も世界王者らしい滑りが見られなかったが、これまでの練習の成果は徐々に形になって表れている。決勝2回目は、オフに特に練習してきたダブルフルツイストを含めて王者キングズベリーと同じエア構成で臨んだ。城勇太コーチは「(エアを)決めて完走できた。平昌につながる感覚をつかんだ」と大技を含めた滑りを高く評価。堀島は「さらに上位で戦うために必要なことが見えてきた」と伸び悩んだターン点に課題を感じつつ、「もっとうまくならないと勝てないので頑張る」と迷いを振り切って貪欲に前に進む。

 ◆堀島 行真(ほりしま・いくま)1997年(平9)12月11日生まれ、岐阜県池田町出身。両親の影響で1歳からスキーを始め、岐阜第一高から中京大に進学。13年2月の猪苗代大会でW杯デビューし、15年12月のデュアルモーグルでは、初の表彰台となる3位。昨年3月の世界選手権ではモーグル、デュアルの2冠を達成し、日本男子初となる世界王者に輝いた。1メートル70、66キロ。

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2018年1月13日のニュース