【砂村光信の目】修正遅く選択肢ない日本、試合中の判断力に差

[ 2017年6月18日 10:10 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2017第2戦   日本22―50アイルランド ( 2017年6月17日    エコパスタジアム )

アイルランドに敗れ、肩を落とす日本代表フィフティーン
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 日本はもっと速くボールを動かしてテンポを上げないと、狙っているアンストラクチャーな状況をつくり出せない。最低3つはフェーズ(攻撃回数)を重ねないと攻撃のスピードが上がらないのに、できないうちに蹴っているから、待ち受ける相手に簡単にボールを渡してしまっている。

 この日はラックへの3人目の入りが遅く、大きな相手にのしかかられる形で速くボールを出せなかった。3人目が来ないと判断したアイルランドは球出しを遅らせるだけでなく途中からラックをめくるプレーに変え、ターンオーバーを重ねた。試合中の判断力に優れた相手に対し、日本は修正が遅かった。何度もマイボールを失ったスクラムに関しても、常に押し勝とうとするのではなく、速い球出しに切り替えるような選択肢がなかった。シンビンで1人少ない時間帯では、ラインアウトからモールではなく空いたスペースを突くプレーで来た相手に対応できず、決定的な2トライを許している。

 アイルランドはスーパーラグビーの試合も分析して日本の戦略を把握していた。W杯で活躍した日本は今や強豪国からも研究されている。勝つためには研究の上を行く対応や修正が求められる。(元U―23日本代表監督)

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