セルティクスが敵地で劇的な初勝利 トーマスを欠きながらも21点差を逆転

[ 2017年5月22日 15:13 ]

終了直前、決勝の3点シュートを決めたセルティクスのブラドリ―(0)
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 NBAは21日にクリーブランドで東地区決勝の第3戦を行い、1位セルティクスが111―108(前半50―66)で2位キャバリアーズを下して3戦目で初勝利。ボストンでの第2戦(19日)では44点差という記録的な大敗を喫したが、この日は同点で迎えた第4Qの残り0・1秒、20得点を挙げたエイブリー・ブラドリー(26歳)が起死回生の3点シュートを決めて敵地でこのシリーズ初勝利を飾った。

 第2戦で股関節を痛めたアイゼイア・トーマス(28歳)に代わって先発した3季目のガード、マーカス・スマート(23歳)は7本の3点シュートなどでチーム最多の27得点をマーク。第3Qの5分21秒に56―77と21点を追う苦しい展開だったが、ここから反撃して試合をひっくり返した。

 第4Qの残り5分43秒にはスマートの3点シュートで95―95。ここから同点5回、勝ち越し5回、逆転3回というデッドヒートとなったものの、ブラッド・スティーブンス監督(40歳)の采配がさえた一戦となった。

 残り10秒からのプレーではジェイ・クラウダー(26歳)を左コーナーに配置。そこにブラドリーがスクリーンをかけ、クラウダーはブラドリーを巻いて左45度からインサイドに切れ込んだ。その動きにつられ、キャバリアーズのイマン・シャンパート(26歳)とJR・スミス(31歳)はともにクラウダーをマーク。するとスクリーンを終えたブラドリーが今度はトップの位置から下がってきたアル・ホーフォード(30歳)を“壁”にして左45度に上がり、完全にノーマークになったあと決勝の3点シュートを成功させた。

 ボールはリングに3回弾んでリングを通過。スクリーン・プレーでスイッチに失敗したシャンパートは“罠”にはまって悔しそうな表情を見せており、スティーブンス監督の頭脳的な作戦がセルティクスを勝利に導いた。

 今季リーグ3位の28・9得点をマークしたトーマスは右股関節の手術を受けることになりそうで来季開幕までに復帰できるかは微妙な状態。3月に痛めながら無理をしてプレーを続けた代償は大きなものになった。チームメートもその気持ちを理解しており、この日大活躍したスマートは「きょうは全員がステップアップして彼(トーマス)とともに戦った。みんなが自分の仕事をきちんとこなしたんだ」と姿なき大黒柱との“共闘”をアピールしていた。

 キャバリアーズは昨季ファイナル第5戦から続いていたプレーオフの連勝記録(リーグ・タイ)が13でストップ。前半はチームで14本の3点シュート(試投22本)を決めて快調な滑り出しを見せたが、後半はわずか2本(試投17本)に終わった。8試合連続で30得点以上を稼いだレブロン・ジェームズ(32歳)にいたっては、45分出場しながら今プレーオフ最少の11得点のみ。勝負どころの第4Qでは無得点に終わるなど最後まで精彩を欠いた。

 カイリー・アービング(25歳)はチーム最多の29得点をマーク。ケビン・ラブ(28歳)も28得点を稼いだが、成功させた7本の3点シュートはすべて前半に記録したもので、後半は6得点にとどまった。

 最後の場面ではジェームズがこの日好調だったスマートをマーク。スミスがブラドリーを、シャンパートがクラウダーをマークしていたが、最初のスクリーンでスミスがスイッチしたのに対してシャンパートはスルー。連携をどうするのかという基本的な確認ができていなかったことを露呈しており、ディフェンス面に大きな課題を残した。

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