稀勢、史上8位タイ幕内通算697勝 貴乃花まであと4勝

[ 2017年5月22日 05:30 ]

大相撲夏場所8日目 ( 2017年5月21日    両国国技館 )

稀勢の里(右)は碧山を寄り切りで下す
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 左上腕付近に負傷を抱える横綱・稀勢の里が、安定感抜群の内容で復調を印象づけた。平幕・碧山を右から張って左四つに組み止め、じっくり攻めて寄り切り。4連勝で6勝目を挙げた。幕内通算697勝で、旭天鵬に並び史上8位となった。日馬富士、白鵬の両横綱は危なげなくストレート給金。大関獲りを目指す関脇・高安は1敗を守り勝ち越しに王手をかけた。

 調子が上向いてきたことを示す内容だった。大関時代の13年には年間4敗(1勝)するなど苦手にしていた碧山に対し、右から張ってすぐ左差し。前に出ながら右上手を引くと、195キロの巨漢も問題にしなかった。懸賞金は前日の61本に続き59本。2日間では史上最多120本を得て、合計303本とした。1本手取り3万円で909万円を稼いだ計算だ。

 黒星発進となった1週間前の初日との状態の違いを聞かれると「いいんじゃないか」と答えた。今場所一番の相撲かと問われると「また明日」と先を見据えた。支度部屋でのコメントは日に日に少なくなってきているが、逆に堂々とした表情が際立つ。八角理事長(元横綱・北勝海)は「だいぶ復調してきた。精神的にもね」と評価した。

 左上腕付近の負傷で調整は遅れたが、中日までで6勝を挙げた。通算勝利は697勝で史上8位の旭天鵬に並んだ。701勝で7位の貴乃花まであと4勝。「長くやってるからでしょう」というものの、幕内在位は貴乃花と同じ75場所。負け数は貴乃花の217敗よりはるかに多い421敗だが、休場はわずか1日だけという強じんな肉体で優勝22回の横綱に肩を並べるところまで来た。

 この日は今場所3度目の結びの一番だったが、立行司の式守伊之助が喉頭炎で7日目から休場したため、三役格行司の式守勘太夫が裁いた。「(行司は)特に気にならない」というが、横綱昇進後に伊之助が行司だった取組は8勝4敗で、勘太夫はこの日を含めて11戦全勝。横綱として臨んだ結びの一番は先場所から4勝3敗と苦戦していたが、相性のいい行司とともに乗り切った。

 無傷の両横綱とは2差のまま。勝ち続けていけば初優勝からの3連覇、新横綱からの2連覇も視界に入ってくる。「思い切っていきますよ」。勝負の後半戦に向けてさらに加速していく。

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2017年5月22日のニュース