内村「世代交代」まだ!個人総合40連勝で決めた9連覇

[ 2017年5月22日 05:30 ]

体操 NHK杯最終日 ( 2017年5月21日    東京体育館 )

鉄棒の演技をする内村航平
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 世代交代はまだ許さない。内村航平(28=リンガーハット)が、4月の全日本の持ち点と合わせ合計172・900点で9連覇。5種目を終えて白井健三(20=日体大)に0・5点リードされたが最終種目の鉄棒で逆転して個人総合の連勝を40に伸ばした。白井とともに代表に決まった世界選手権(10月、カナダ・モントリオール)では前人未到の7連覇に挑戦する。

 キングは描いたイメージを具現化する。演技だけでなく、結果でも。5種目を終えて、トップの白井との差は0・5点。点差は知らなかったが、置かれた立場は分かっていた。「床運動で離されて、あん馬とつり輪で巻き返して跳馬と平行棒でちょっと負けて、鉄棒で巻き返すストーリーだった」。14・450点が必要な状況で、離れ技を全て決めて14・800点をマーク。鮮やかな逆転劇で、9連覇&個人総合40連勝の金字塔を打ち立てた。

 「今できる精いっぱいのことをやると決めて、それができた。集中力を切らさずにできた」

 プロ初戦となった4月の全日本。予選は平行棒で失敗してまさかの4位だった。白井ら96年生まれが予選上位を占め、世代交代がクローズアップされたが、決勝では10連覇を達成。全日本後、佐藤コーチに言った。「なんか世代交代って言われているけど、俺、ここから上がるんだけどな」。この日は平行棒のDスコアを落とし、6種目大きなミスのない演技を披露。「体力的には全然、問題がなかった。しんどいなと思ったけど、全日本よりは全然マシ」と振り返った。

 体操界ではベテランの28歳。20歳の白井について「かなり勢いを感じている」と話す一方で、「まだ追い越されないように、日本を引っ張っていける存在でありたい」と続けた。7連覇が懸かる世界選手権までに、Dスコアをこの日の34・6点から36点に上げる予定。「世界選手権の個人総合は十八番なんで、いろんなことを(白井に)教えられるんじゃないかな。今年に入って2試合やったので、次はもう大丈夫と読んでいる。演技構成も頭の中で出来上がっている」。描く黄金のイメージを、キングは大舞台でも具現化する。

 ▼世界選手権代表選考 今年は団体戦は実施されず個人戦のみで枠は男子が最大6。個人総合で行う全日本と5月のNHK杯の得点合計上位2人の内村と白井がまず代表に決定。残りは全日本予選、NHK杯、6月の全日本種目別選手権の予選、決勝の各種目で最高得点を獲得した選手、種目別優勝選手の中から強化合宿を経て9月に決まる。

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