関取最年長の安美錦が初勝利「真っすぐ真っすぐいけて よかったんじゃないか」

[ 2017年5月16日 15:53 ]

 大相撲夏場所3日目は16日、東京・両国国技館で行われ、関取最年長38歳、西十両8枚目の安美錦(伊勢ケ浜部屋)が初勝利を挙げた。十両2場所目の23歳、朝乃山(高砂部屋)との一番は立ち合いで当たってから右喉輪で攻め、タイミングよくはたき込んだ。「思い切って当たっていこうと思った。変に左の前まわしを取ろうとか(相手の)差し手を殺そうとかすると、止まってしまって圧がかかる。真っすぐ真っすぐいけて。よかったんじゃないか」と振り返った。

 幕内だった昨年の夏場所2日目に左アキレス腱を断裂。復帰した昨年秋場所からは、大負けすると幕下陥落となる十両での土俵が続いている。これまでは「後がないから勝ちたいというのがあって余裕がなかった」というが、巡業などで納得の稽古ができた今場所は「あとは(やってきたことを)どれだけ出せるか」が課題だ。

 欲を消すために、この日は「結びの一番だと思っていった。朝青龍や白鵬とやっていたころを思い出して、“一丁やってやろう”という気持ちだった」という。思い切りの良さが初勝利につながった。

 ただし、史上8位の通算出場1615回を誇るベテランでも、なかなか気持ちをコントロールするのは難しいようだ。「一つ勝って、明日からも(そういう気持ちで)できればいいけど、人間、欲の塊だからね」。そう言ってニヤリと笑い、支度部屋の風呂場へ向かった。

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2017年5月16日のニュース