羽生「いいコンディションで幸せ」平昌五輪本番会場に好感触

[ 2017年2月15日 05:30 ]

フィギュアスケート四大陸選手権   14日公式練習開始、16日開幕 ( 韓国・江陵 )

<フィギュア四大陸選手権公式練習>平昌五輪本番が行われる江陵アイスアリーナの氷の感触を確かめる羽生結弦
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 フィギュアスケートの平昌五輪プレ大会となる四大陸選手権(16日開幕)の公式練習が14日、韓国・江陵(カンヌン)で始まり、日本勢が来年の五輪会場で初練習した。男子の羽生結弦(22=ANA)は金メダルを獲得した14年ソチ五輪に似た会場の雰囲気を感じ取り、五輪2連覇と今大会優勝に向けて好感触をつかんだ。

 羽生は氷の感触を入念に確認すると同時に、いつも以上にリンクの外に視線を向けて滑った。1年後には2連覇を狙って帰ってくる場所。天井や観客席までチェックし、大事な場所の雰囲気を全身で受け止めた。五輪本番会場での初練習を終えた羽生は「楽しかったです。ソチ五輪を彷彿(ほうふつ)させるような青を基調としたリンク。滑りやすい温度だし、氷の状態も良かった。いいコンディションで滑ることができて、幸せだなと感じました」と好感触を口にした。会場の壁や椅子は青で、ソチ五輪と同じ。客席数も1万2000人で変わらない。19歳にして金メダルを手に入れた思い出の会場と同じ雰囲気を感じ取って、気分は高揚した。

 過去3年出場していなかった四大陸選手権に出場するのも、今回は五輪プレ大会だからだ。この日は午後の公式練習の前に、午前9時に一度来場。「時間が余っていたので、リンクを見ていました」。下見するためだけに、わざわざ会場入りするほど準備に余念はなかった。会場内を視察した後は、外で会場の外観まで自身のスマホで撮影。あらゆる情報をインプットした。

 練習では4回転ジャンプを入念に確認した。大技のループは最初はミスが続いたが、3回連続で着氷するなど調子はまずまずだ。12月の全日本選手権をインフルエンザで欠場し、コンディションが心配されたが、「順調にきました。何事もなく、いい練習ができました」と仕上がりに自信を示した。

 アジア、北中南米、オセアニア、アフリカの4大陸の選手が対象の今大会は、五輪出場枠が懸かる世界選手権(3月、ヘルシンキ)の前哨戦。世界選手権2連覇中でスペイン人のフェルナンデスこそいないが、1月の全米選手権で史上初めてフリーで5度の4回転ジャンプを成功させた17歳ネイサン・チェン(米国)や、元世界王者のパトリック・チャン(カナダ)も出場する。「今すべきことをやって、最終的には笑いたい」。来年の笑顔の予行演習も、ここでしておきたい。

 ▽羽生の14年ソチ五輪VTR SPでは4回転トーループなどを完璧に決めて、当時自身が持っていた世界最高得点を更新する101.45点をマークして首位発進。フリーではジャンプでミスがありながらも、トップの178.64点をマークし、合計280.09点で日本男子初の金メダルを19歳にして獲得した。

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