日本女子エース宮原が左股関節骨折 平昌五輪3枠に暗雲

[ 2017年2月8日 05:30 ]

左股関節を疲労骨折した宮原
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 日本スケート連盟は7日、フィギュア女子で全日本選手権3連覇中の宮原知子(18=関大)が左股関節の疲労骨折のため四大陸選手権(16日開幕、韓国・江陵)と冬季アジア大会(19日開幕、札幌)を欠場すると発表した。全治4週間の診断で、18年平昌五輪の出場枠が懸かる世界選手権(3月29日開幕、フィンランド・ヘルシンキ)にベストコンディションで挑めるかは微妙。日本女子の平昌ロードに暗雲が垂れこめてきた。

 エースがまさかの戦線離脱だ。宮原は昨年12月のGPファイナル前から左股関節に痛みを抱えていたという。精密検査で疲労骨折が判明し、前日(6日)の夜に宮原サイドから日本連盟に連絡が入った。「いつも応援していただいている皆さま、スケート関係者の皆さま、このたびはご心配とご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません」。連盟を通じて発表したコメントには、宮原の真面目な人間性が表れていた。全治4週間の診断で、本格的なトレーニング再開は3月上旬とみられる。

 3月29日には世界選手権が開幕する。「今は加療に専念し、世界選手権でしっかりとした演技ができるよう体調を整えたいと思います」という宮原は、故障明けの状態から約3週間の調整でベストコンディションに仕上げることが求められる。今季の世界選手権は重要な舞台。18年平昌五輪の出場枠が懸かっており、最大の3枠を確保するためには上位2人の順位合計で13以内が必要になる。

 宮原以外の世界選手権代表は16歳の樋口新葉(16=日本橋女学館高)と17歳の三原舞依(神戸ポートアイランドク)で、2人とも今季シニアにデビューしたばかり。GPシリーズで表彰台に上がるなど勢いはあるが、極度の緊張にさらされる五輪出場枠を争う世界選手権で好演技ができるかは未知数。15年に銀メダルを獲得し経験豊富な宮原に懸かる期待は大きいが、重圧だけでなく体調面の不安とも闘うことになった。

 日本女子が五輪の出場3枠を逃せば、02年ソルトレークシティー以来、4大会ぶりとなる。世界選手権3度制覇の浅田真央(26=中京大)、来季シニアに参戦する本田真凜(15=関大中)ら日本は選手層が厚いだけに、2枠になれば激しい代表争いが待つ。「世界選手権のためにはここで治療した方がいい。ちょっと心配ですけど、早く治して戻ってきてほしい」と日本連盟の伊東フィギュア委員長。3枠死守へ、エースの状態が鍵を握る。

 ▼平昌五輪の出場枠 今年3月29日に開幕する世界選手権で争う。同選手権に3人出場する男女の日本は、上位2人の順位合計が13以内なら最大の3枠を獲得。14〜28だと2枠。女子は06年トリノ、10年バンクーバー、14年ソチと五輪3大会連続で3枠を確保。男子はバンクーバー、ソチは3枠確保したが、06年トリノは1枠しか得られなかった。05年の世界選手権では本田武史が棄権。1人だけ出場した高橋大輔が10位以内に入ればトリノでの2枠を確保できたが、15位に終わった。

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2017年2月8日のニュース