御嶽海 初金星!日馬も食った 大関撃破の勢いそのまま

[ 2017年1月10日 05:30 ]

大相撲初場所2日目 ( 2017年1月9日    両国国技館 )

<初場所2日目>結びの一番、日馬富士の立ち合いの勢いを止められずまわしを取られる御嶽海だったが…
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 期待の星が初金星を奪った。結びの一番に登場した平幕の御嶽海は横綱・日馬富士に左上手を許して劣勢となったが相手の投げに食らいついて出て寄り切り。初日に大関・豪栄道を破った勢いに乗って、7度目の横綱挑戦で初勝利を挙げた。長野県出身力士の金星は55年初場所初日の大昇以来、62年ぶり。鶴竜、白鵬の両横綱は連勝発進。カド番大関・琴奨菊が初黒星を喫し大関陣の2連勝は稀勢の里だけとなった。

 殊勲の星を挙げたホープがもみくちゃになった。帰り際、国技館の建物の外には100人を超えるファンが待ち受けていた。敷地の外に出るまでサイン攻めにあったが、できる限り応じた。「メチャうれしいですね」と喜びを語っていた御嶽海は、大仕事をやってのけたことをかみしめながら帰路に就いた。

 低い立ち合いの横綱にすぐに左上手を取られた。「完璧に立ち遅れた。また自分の立ち合いができなかった」と思ったが、そこから慌てなかった。相手の強引な上手投げに対し、腰を落として右半身を密着させた。右下手をつかんだまま出て、白房下に寄り切った。館内に座布団を舞わせ「テレビでは見てましたが、あそこで舞ったのはうれしい」と振り返った。

 過去の経験が勝利につながった。順調に番付を上げた新鋭は昨年名古屋場所で初の横綱戦を経験し、新小結だった同年九州場所でも再び横綱の胸を借りた。「前は周りが見えていなかったし、圧倒されてばかりだった。今は声援もよく聞こえている。慣れというのもあるが、どういうふうに勝った負けたが分かるようになった」。黒星が増える一方で、大一番でも冷静に臨めるだけの視野の広さが備わっていた。本領を発揮できれば、横綱から勝利を挙げるのも時間の問題だった。

 東洋大を経て、15年春場所に幕下10枚目格付け出しでデビュー。初土俵から12場所目での金星は、千代大龍と並んで歴代8位。長野県出身の金星は、50年代に幕内に21場所在位した大昇が55年初場所初日に栃錦を破って以来、実に62年ぶりの偉業。きょう3日目は連日の金星を狙って白鵬に挑む。「押し相撲は気持ちが乗っていけば強い」。視界良好の24歳は、胸を借りるだけでなく結果も求めて土俵に上がる。

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2017年1月10日のニュース