【砂村光信の目】帝京大、勝敗分けたキックの意思統一

[ 2017年1月10日 08:44 ]

ラグビー全国大学選手権決勝   帝京大33―26東海大 ( 2017年1月9日    秩父宮 )

<帝京大・東海大>優勝し、歓喜の帝京大フィフティーン
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 毎年戦力が変わっていく学生スポーツの世界で8連覇という偉業を達成した帝京大に、まずは敬意を表したい。

 勝敗を分けたのは、意図したゲームプランができたかできなかったか、に集約されるだろう。例えばスクラムが強い東海大は、前半2本目のトライのように敵陣でスクラムを組みたかったはず。一方で、帝京大はそれを回避したい。結果的に最後のトライシーン以外、後半は帝京大陣内でのスクラムはなかった。

 鍵を握ったのはキックだ。帝京大SO松田はハイパントや左右のライン際に落とすキックを織り交ぜながら、着実に東海大陣内でゲームを進めた。一方、東海大はキックに関する意思統一がやや希薄で、ノータッチとなったキックも多かった。力が拮抗(きっこう)しているからこそ、こういう細かいプレーが勝敗に直結したのだと思う。

 この日のレフェリングにも触れておきたい。午前中まで雨が降りグラウンド状況が悪かったことを考慮し、スクラムがつぶれても簡単には反則にしなかった。試合の流れを途切れさせなかったことが、見ていて楽しい好ゲームの演出にもつながったと思う。(元U―23日本代表監督)

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2017年1月10日のニュース