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スポーツ政治には攻めが必要…違和感覚えた柔道ルール改正での“情報過疎”

練習を見守る井上男子監督(左)と山下泰裕氏
Photo By スポニチ

 政治、と聞くと嫌悪感に近い感情を抱くのが日本人。その悪しきイメージを作った人たちは猛省すべきだが、20年東京五輪パラリンピックの開催が近づくにつれ、いやがおうにもクローズアップされてきたのが「スポーツ政治」なるものだ。実際、スポーツの世界で日本の発言力を高めようという動きはスポーツ庁を中心に広がりを見せており、今年10月には国際体操連盟の会長に渡辺守成氏が当選したことも話題となった。

 スポーツ界での発言力を高める意味は様々だが、一例を挙げればルールを整備する際に日本の観点や意見を訴えやすくなったり、競技団体の今後の方針や方向性がより伝わりやすくなったりということが考えられている。

 12月、柔道のルール変更が話題となった。男子の試合時間が女子と同じ4分となったことや、正規の試合時間内では指導3回までいかない限り指導差による決着はないこと。技ありは何度奪っても一本ではなくなったこと。実はかなりドラスティックで、国際柔道連盟(IJF)が競技の価値を守るために“一本偏重”に舵を切ったことは明確だ。施行を前に賛否両論は巻き起こっているが、われわれは畳の上で起きることを冷静に見守っていくしかない。

 ただし、日本国内の情報過疎ぶりには違和感があった。

 IJFが新ルールの暫定的導入を世界に向け発表したのは今月9日。直後、国内の指導者たちに反応を聞くと、これが非常に心許ない。正確な変更点を把握していないどころか、間違った情報で不安を募らせている関係者すらいた。この指導者がもし選手たちに中途半端な情報を伝えたら、と考えるとゾッとする部分もある。

 12月といえば、柔道の年間サーキットを締めくくる「グランドスラム(GS)東京」が行われ、IJFの主要人物が来日しているタイミング。IJF理事を務める山下泰裕・全日本柔道連盟副会長は「(ルール変更は)正式な手続きを経て発表されるものだと思っていた」とし、自身が把握していたルール改正点を現場サイドにはまだ伝えていなかったことを明らかにした。GS東京でどういう話し合いがあったのか?少なくとも、国際的了解と日本の認識にはズレがあった、と指摘されても仕方がないだろう。

 現場の指導者たちの姿勢にも疑問符がつく。五輪終了後は4年に1度、大きなルール改正が行われる可能性がある時期。山下氏は選手強化の現場に「ルール変更が行われるだろう」という情報は伝えていたという。ならば、GS東京という舞台は各国の指導者と意見交換し、新たな情報を得るチャンス。情報に対しては「待ち」ではなく、積極的な「攻め」の姿勢が必要だ。

 過去には日本レスリング協会の福田富昭会長が、女子の五輪種目入りの方向性を感じ取り、早期に強化を開始。現在の“王国”の基盤を築いた例もある。情報戦で後手を踏むようでは、スポーツ政治力の向上も意味をなさなくなる。(首藤 昌史)

[ 2016年12月27日 10:00 ]

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