五郎丸、トゥーロン移籍正式発表 次のステージへ「チャレンジ」

[ 2016年6月9日 05:30 ]

新天地トゥーロンへの移籍を正式発表した五郎丸

 ラグビー日本代表のFB五郎丸歩(30)が8日、フランス1部「トップ14」のトゥーロンへ移籍することが正式決定した。トゥーロンと五郎丸サイドの双方が契約合意を発表した。契約期間は1年で、双方の合意があれば1年延長できるオプション付き。国内所属のヤマハ発動機は3月末で退社し、新たにアドバイザリー契約を結んだ。入団会見は21日にトゥーロンで行われ、新チーム合流は8月を予定している。

 五郎丸の新たな挑戦が決まった。この日午後、公式ホームページ上で移籍を発表。その後に自身のブログで「決断するまでには悩みました。しかし“チャレンジせず後悔する事ほど、一生悔やむものはない”と考え決断しました。今は一日も早く、ケガを治し次のステージへチャレンジしていこうと思います」と決意をつづった。

 日本代表で副将を務めた五郎丸は、昨年のW杯で3勝の大躍進に大きく貢献。その活躍が認められ、世界最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」のレッズ(オーストラリア)からオファーを受け、トップリーグ終了後に期限付き移籍した。だが、言葉の壁に悩まされ、レッズでは正FBの座を獲得できずじまい。先月21日のサンウルブズ戦(ブリスベン)では3度目の先発を果たしたが、負傷のため途中交代。その後に右肩鎖関節脱臼で全治約3カ月と診断され、手術を受けていた。

 もちろんトゥーロンでも15番獲得は容易ではない。レッズで乗り越えられなかった英語の壁に、今度はフランス語の壁が加わる。ライバルの存在もレッズ以上で、ウェールズ代表で61キャップを誇るハーフペニーは、五郎丸と同様にプレースキッカーも務めるFB。元オーストラリア代表のミッチェルも健在で、潤沢な資金力を持つクラブ会長のムラド・ブジェラル氏が、さらに戦力補強する可能性もある。

 それでも本人の言葉通り、4年間の全てを注いで準備してきたW杯を終え、今後2年は個人のチャレンジをする期間と決めている。まさにゼロからの挑戦。日本で確立した地位も名誉も捨て、一選手として再び高みを目指す。

 ▼ムラド・ブジェラル会長 素晴らしい選手、素晴らしいポイントゲッターだ。欧州の主要タイトルを獲得する初の日本人選手になるためにやって来る。

 ▽RCトゥーロン 1908年創設。1931年にフランス選手権(現トップ14)で初優勝。2000年に下部リーグに降格したが、06年にムラド・ブジェラル氏がクラブ買収後に再び力を付け、14年に4度目のリーグ制覇。欧州一を決める欧州チャンピオンズ杯でも13~15年に3連覇を果たした。4連覇の懸かる今季の開幕は8月20日となっている。

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