【村上武資の目】錦織唯一の弱点 サーブフォームに見えた課題

[ 2016年1月21日 08:15 ]

力強くサーブを放つ錦織(AP)
Photo By スポニチ

テニス全豪オープン第3日・男子シングルス2回戦

(1月20日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 【村上武資の目】

 全く不安なく見られた試合だった。インドアがどう影響するかは心配したが、正直に言えば格が違った。ただし、サーブのスタッツはよかったものの、そのフォームには以前から見られる課題も残っていた。

 錦織はトスを上げて構えた時に右脇が締まったような状態になってしまう。そのため、そこから右肘を持ち上げる余分な動作が必要になる。その間にもボールは動くので打点にズレが生じる。トスの高さを含めて全てのタイミングが合っている時は問題ないが、サーブの出来にムラがあるのはそれが大きな原因だ。サーブの動きは投球動作とも似ているが、野球の投手も振りかぶった時に肘が落ちたりはしないはず。フェデラーのような選手は絶対に肘が高い位置に収まっている。

 サーブを直すのは一番難しく、ここが錦織の唯一の弱点。それでも思い切って相手のフォアサイドに打ったり、サーブ&ボレーを試みたりと、サービスゲームではなかなか人ができないことに挑戦している。そうしたバリエーションがあるからこそ弱点もカバーできている。 (ロンドン五輪日本代表監督)

続きを表示

この記事のフォト

2016年1月21日のニュース