北の湖理事長、九州場所に別れ 遺体は東京へ 12・22協会葬

[ 2015年11月21日 17:42 ]

大相撲九州場所の会場に集まった大勢のファンに見送られる、北の湖理事長の遺体を乗せた車=21日午後、福岡市の福岡国際センター

 20日に62歳で急逝した日本相撲協会の北の湖理事長=元横綱、本名小畑敏満、北海道出身=の遺体は21日、安置されていた福岡市内の葬儀所から東京へ向けて搬送された。江東区の北の湖部屋には22日朝に到着するとみられる。

 霊きゅう車は途中、大相撲九州場所が開催されている福岡国際センター(福岡市博多区)の正面玄関に横付けされ、出迎えた協会幹部や大勢のファンが優勝24度の大横綱との別れを惜しんだ。

 現役の3横綱は取組後、突然の死を悼んだ。白鵬関は「理事長にはいろいろなアドバイスをもらった。寂しいが、また一生懸命にやりたい」と述べ、日馬富士関は「けがをした時も温かく見てくれた。言葉を掛けてくれた」と感謝。鶴竜関は昇進当初、理事長が還暦土俵入りで締めた化粧まわしを借りた思い出に浸った。

 相撲協会は理事ら幹部が今後の対応を協議し、12月22日午後1時から東京・両国国技館で協会葬を開くと発表した。葬儀は近親者による密葬のため、日時や場所は公表しない。

 会合では八角事業部長(元横綱北勝海)の理事長代行就任を承認。北の湖部屋は師匠不在となったが、所属力士は千秋楽まで部屋の名称を変えずに土俵に上がる。後継が有力視される山響親方(元幕内巌雄)が当面、師匠を代行する。

 協会トップが本場所中に亡くなるのは前例がないが、幕内優勝力士のパレードは予定通り実施。満員御礼の垂れ幕、関係者に配布する大入り袋なども自粛せず、黙とうも予定していない。玉ノ井広報部副部長(元大関栃東)は「理事長は土俵の充実を掲げ、仕事重視の考えだった。遺志をくんで決めた」と説明した。

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