葛西 巻き返すも12位、26戦ぶりW杯10位以内逃す

[ 2014年12月8日 05:30 ]

W杯ジャンプ男子個人第4戦で12位の葛西紀明

 ノルディックスキーW杯ジャンプ男子は6日、リレハンメルで個人第4戦(HS138メートル、K点123メートル)が行われ、第3戦を制した42歳の葛西紀明(土屋ホーム)は12位だった。伊東大貴(雪印メグミルク)が4位。グレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)が通算53勝目を挙げた。また強風のため1回の飛躍で順位が決まった7日の個人第5戦(同)で日本勢は伊東が129メートルの136・7点で14位になったのが最高。葛西は124・5メートルの130・4点で17位に終わった。

 第4戦で2連勝を狙った葛西は1回目の出遅れが響き、出場したW杯で26試合ぶりに10位以内を逃した。葛西の次に飛んだ個人総合首位のアマン(スイス)も失速して2回目進出を逃すほど追い風が強い悪条件だった。それでも日本のエースは風を言い訳にせず「難しい試合。いろいろ迷いがあった」と潔かった。

 ソチ五輪で2つのメダルを獲得し、オフはイベントに引っ張りだこだった葛西。練習不足で迎えたシーズンは「勝てないだろう」と感じていたが、第2戦(フィンランド・ルカ)で3位に入ると、続く第3戦(同)で優勝した。「ここまできたなら総合優勝を狙っていきたい」と目標を上方修正していたが、この日は一転して10位以内を逃す厳しい結果。それでも「悔しいが、いいジャンプができれば(10位以内に)残れたと思う」と切り替え、再スタートを誓っていた。

 ≪大貴本領4位≫飛距離が出にくい強い風が吹き荒れたジャンプ台で伊東が持ち味を発揮した。1回目は「あの追い風の中で凄くいいジャンプをした」と葛西を驚かせた完成度。上から押さえつけるような風をものともせずにK点を2・5メートル越え、3位につけた。風が少し弱まった2回目は飛び過ぎによるケガを恐れて早めに着地姿勢に入り「2、3メートル」ほどロス。飛距離に換算すると1メートルあまりの2・0点差で表彰台を逃したが「そこそこの飛躍ができれば10位以内には入れる」と自信を深めた。

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