早大 42年ぶり秩父宮早明戦制した、伝統の横攻撃で走り勝つ

[ 2014年12月8日 05:30 ]

<早大・明大>突進する早大・藤田

 42年ぶりに秩父宮開催となった伝統の早明戦は、早大が37―24で勝利を収めた。SO横山陽介(1年)と日本代表のFB藤田慶和(3年)が今季Aチーム初先発。攻撃力を増したバックス陣で試合の主導権を握り、CTB小倉順平(4年)、WTB荻野岳志(4年)がそれぞれ2トライを挙げた。通算成績は52勝2分け36敗。また、筑波大は青学大に55―0で勝ち、対抗戦5位で大学選手権進出を決めた。

 オールドファンを満足させる「横のワセダ」による快勝劇。ロックの大峯主将は「早明戦は理屈じゃない。課題はあるが、きょうはいい試合ができた」と生真面目な表情を崩さずに語った。

 才能あふれるバックス陣によるトライショーは、7点を追う前半28分に始まった。藤田が自陣からカウンター攻撃を仕掛け、ボールをつないで、まず小倉が反撃のトライ。同38分にもドロップアウトからボールをつなぎ、荻野がトライを決めた。後半12分には、再び藤田が自陣からのカウンターで大きく前進し、トライをアシスト。日本代表のホープは「自分が走れば3、4人が寄ってくる。それでチャンスをつくれたのは良かった」とチームの勝利を喜んでいた。

 後藤禎和監督には、うれしい誤算もあった。初先発の横山は、昨年度の全国高校ラグビー選手権で神奈川・桐蔭学園高を準優勝に導いたホープ。しかし、同大会決勝で右膝に大ケガを負い「今年は諦めた」(後藤監督)と来季を見据えていた。ところが、予想以上の回復で大一番での起用を決断。代わりに1年から正SOだった小倉をCTBにコンバートした。「センターだと判断をする時間が凄く長い」と話す小倉は自ら仕掛ける場面が激増し、前後半1つずつトライを決めた。6月の代表戦で右肩を負傷した藤田の復帰も重なり、指揮官は「たまたま早明戦になった」と淡々と話したが「2人の活躍は期待通り」と評価した。

 11月23日の慶大戦で引き分け、チーム内を危機感が覆った。藤田が音頭を取って早朝6時からの練習を取り入れると、スキル以上に意識が高まった。強力FWを擁した昨年度と比べ戦力ダウンを指摘する声はあるものの、逆に伸びしろはそれ以上。後藤監督は「ビッグゲームを乗り切って、選手は自信を得たはず。これで最後(大学選手権決勝)に帝京大とやってどうなるか」。絶対王者の6連覇阻止へ、伝統校が高らかに雄叫びを上げた。

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