桃子“23度目の正直”だ、メジャー初Vへ1差「攻め忘れず」

[ 2014年9月14日 05:30 ]

メジャー初V見えた!!スタート前に柔軟体操を行う上田

女子ゴルフツアー 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯第3日

(9月13日 兵庫県三木市 美奈木ゴルフ倶楽部=6645ヤード、パー72)
 上田桃子(28=フリー)が通算3アンダーで首位と1打差の2位に浮上した。ホールによって球筋を変えたり、精神面も一喜一憂せず終始落ち着いていたりと“大人の桃子”で5バーディー、2ボギーの69をマーク。プロ転向後23度目のメジャーで悲願のタイトル奪取に挑む。鈴木愛(20=フリー)は2ダブルボギーを叩きながらも、75で耐え通算4アンダーで単独首位を守った。
【第3R成績】

 是が非でも欲しいタイトルを桃子が視界に捉えた。初日の73から一日2つずつスコアを縮めてこの日は69をマーク。首位に1打差まで迫り「ボギー先行だったけれど気持ちを切らさずできた。打ちにくいホールで2日間ミスをしたけど、きょうはクリアできた」と内容にも結果にも満足した。

 ショットの復調が大きい。もともとドローボール(落ちる時に左へ小さく曲がる球)を打つ上田は休養に充てた前週、ストレートボールを練習。9番に代表される、右ドッグレッグやフェアウエーを外すとボギーを叩きやすいメジャーならではのセッティングを攻略するためだ。しかし予選ラウンドは自分の持ち球ですら気持ちよくクラブを振れず苦戦。若い頃ならムキになってストレートにこだわったかもしれないが、切り替えてドローとフェード(右へ小さく曲がる)を使い分けると効果はてきめんだった。9番は第1打も第2打もフェードで攻め、4メートルに2オン。バーディーこそ奪えなかったが「ストレスのないゴルフができた」と後半の2バーディーにつなげた。

 経験を積んで技術的な引き出しが増えただけでなく、メンタルも大人になった。勝ち気故、すぐに“戦闘モード”に入りがちだったが、8月のCATレディースで3年ぶりの復活勝利を挙げたこともあり、「焦りもなく、逆に余裕もなく、良いニュートラルな状態」で目の前の一打に集中できるようになった。初めてフェアウエーを外した最終18番はバンカーに入れてボギー。これまでならがっくりと肩を落とすところだが、何一つ表情を変えなかった。

 プロになった05年以降、22回メジャーに出場したが最高成績は4位。「メジャーは勝ちにいって勝てるほど甘くない。自分らしく攻めを忘れずにやりたい」。1打差を追う最終日は大好きな最終組。28歳の桃子が“23度目の正直”に挑む。

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