新横綱場所大丈夫!?鶴竜 土俵入りで所作忘れ「ダメですね」

[ 2014年5月10日 05:30 ]

野見宿禰(のみのすくね)神社で土俵入りする新横綱の鶴竜

 日本相撲協会は9日、東京・両国国技館で大相撲夏場所(11日初日)の取組編成会議を開き、新横綱・鶴竜(28=井筒部屋)は初日に東前頭筆頭・碧山(27=春日野部屋)、2日目に新小結・嘉風(32=尾車部屋)と対戦することになった。東京都墨田区の野見宿禰(のみのすくね)神社での奉納土俵入りでは所作を忘れるなど、新横綱場所に向けて不安を露呈した。平幕・遠藤(23=追手風部屋)は初日にベテランの旭天鵬(39=友綱部屋)と対戦する。

 初日まで残り2日。新横綱に重圧がのしかかっていた。相撲の神様を祭る野見宿禰神社での奉納土俵入り。鶴竜は鶴と竜の絵があしらわれた真新しい化粧まわしで雲龍型を披露したが、最後のせり上がりの後で所作を忘れてしまった。下がってからそんきょして手を叩いて立ち上がるはずが、そんきょせずに終了して控室に戻ってしまった。

 「最後に失敗した。全然考えていなかった。戻ってきて言われて、アッと思った。ダメですね」としょんぼり。最近では10年初場所初日に白鵬がせり上がりを忘れ、13年春場所で日馬富士が正面に尻を向けるなど、先輩横綱も所作を間違えている。だが、緊張感のある本場所ではなく奉納土俵入りでの失敗は珍しい。

 鶴竜は明治神宮や伊勢神宮、巡業とそつなくこなしてきたが、場所直前になってミスを犯した。新横綱場所に向けて、相当なプレッシャーがかかっているということがうかがえた。師匠の井筒親方(元関脇・逆鉾)は「(土俵入りをする)場所も狭かったけれど緊張しているのかな。本場所ではしっかりやってほしい」と気遣った。

 神社内にある歴代横綱のしこ名が彫られた石碑には鶴竜も仲間入りした。「光栄です。自分というものをつくり上げていきたい」と気持ちを切り替えるように話した。初日は5勝1敗の碧山、2日目は4勝1敗の嘉風と対戦する。苦手な相手ではないが、プレッシャーに負けて敗れるようなら、そのまま崩れてしまう恐れもある。「全力で自分の相撲を取るように集中するだけ」。新横綱は自分に言い聞かせるように話し、気を引き締めていた。

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