勝みなみ コースタイ65!予選通過確実「お母さん、奇跡が」

[ 2014年5月10日 05:30 ]

<サロンパス杯ワールドレディス2日目>18番、この日10個目となるバーディーパットをねじ込みガッツポーズする勝みなみ

女子ゴルフツアー ワールド・レディース・サロンパス・カップ第2日

(5月9日 茨城県つくばみらい市 茨城ゴルフ倶楽部西コース=6630ヤード、パー72)
 天才アマが驚異のチャージを見せた。首位と12打差の115位から出た15歳の勝みなみ(鹿児島高1年)が、メジャー史上最多となる10バーディー(3ボギー)を奪い、コースレコードに並ぶ65をマーク。通算3オーバー、147の暫定41位に浮上し、予選通過を確実にした。同組で14位から出た宮里藍(28=サントリー)は71で回り、暫定10位につけた。雷雲接近による3時間25分の中断を挟んだため日没サスペンデッドとなり、55人がホールアウトできなかった。

 15歳がまたしてもミラクルを起こした。本人だって信じられない。勝はホールアウト後に母・久美さんに近づくと声を弾ませた。「お母さん、奇跡が起きたよ!」。前日は10オーバーと大きく出遅れたが、この日は猛チャージ。トーナメント記録に並ぶ65を叩き出した。スタート前には「諦めていた」という予選通過圏内に一気に急浮上。「自己採点は100点」と満開の笑顔を咲かせた。

 1ラウンドでの10バーディー奪取はメジャー史上最多で、65ストロークはアマチュアではメジャー最少記録。史上最年少でツアー優勝してから1カ月もたたないうちに新たな勲章を手にした。2番でともにバーディーを取った際に“グータッチ”するなど勝を気遣った宮里も、プロでも苦しむセッティングでの爆発に「このコースは難しい。素晴らしい」と脱帽。「きのうのきょうで気持ちの持っていき方が難しかったと思うけど、良い意味で吹っ切れたのかな」と目を丸くした。

 ラウンド中、恒例の歌はこの日は湧いてこなかった。「気持ちが乗っていたので歌は必要なかった」。面白いようにパットが決まった。出だしの1番で3メートル、2番で10メートルをねじ込み、2連続バーディー。前半でスコアを1つ伸ばして折り返すと、後半は勝本人でさえ「違う人みたいでした」と話すバーディーラッシュだ。17番では「おなかがすいた。おなかの音をマイクに拾われるのが恥ずかしいので」とサケのおにぎりを食べてパワーを充てんし1・8メートルを沈めてバーディーを奪った。
 
 最終18番は「予選は通過するのだから、2オン2パットのパーでいい」と安全策を勧めるキャディーに対し、「気持ちが緩むと簡単にボギーを打ってしまうので絶対にバーディーを取ります」と宣言。8Iで第2打をピン右13メートルに乗せると、カップ周りだけがスライスの複雑なスネークラインを読み切ってバーディーを奪い、「“ドヤッ”て感じでした」と胸を張った。後半だけで13番からの3連続を含む7バーディーの荒稼ぎをした。

 4月の優勝を思い出した。前日の夕方、練習グリーンで「(優勝した)熊本の時よりパターを打つときに顔を上げるのが早い」と気付いた。この日は「打った後に1秒持ってから顔を上げよう」と心に決めた。第1ラウンドでは上体が起き上がってしまっていたためにパットの当たりが薄かったが、一変。パット数も前日の34から23に減少した。祖父の市来龍作さんも「ようやく肩の力が抜けてきましたね。涙が出そう」と喜んだ。

 「きょうは自信になった。あすは一つでもいい順位で上がれたら」。無限の可能性を秘める少女の快進撃は止まらない。 

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