九重親方、理事候補落選…貴乃花親方がNo.2事業部長へ

[ 2014年2月1日 05:30 ]

理事候補選に落選し、険しい表情で会場を後にする九重親方

 公益財団法人に移行した日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で全親方97人の投票による新法人の理事候補を決める選挙を行い、協会No・2の事業部長を務める九重親方(元横綱・千代の富士)が落選した。新事業部長には貴乃花親方(元横綱、スポニチ本紙評論家)と広報部長を務める八角親方(元横綱・北勝海)が候補に挙がっている。理事候補は3月24日の評議員会で選任され、その後の新理事会で職務分担が決定する。

 注目の理事候補選は、衝撃的な結末が待っていた。現役の事業部長が選挙で落選するのは旧法人時代を含めて初めて。午後2時45分すぎ、選挙会場となった相撲教習所を出てきた九重親方は、報道陣に囲まれると「不徳の致すところです」と厳しい表情で話しただけで足早に国技館を後にした。

 優勝31回を誇り、国民栄誉賞にも輝いた同親方。相撲協会を代表する“顔”の一人で、先の初場所では、病気療養中の北の湖理事長(元横綱)の代行も務めていた。しかし、所属する高砂一門では、選挙前から弟弟子で広報部長の八角親方を支持する声が多く苦戦。前回、九重親方に1票及ばない6票で落選した元理事の友綱親方(元関脇・魁輝)と最後のイスを争う情勢となっていた。だが、容易に票を確保することができずに最終的に友綱親方が7票だったのに対し、前回の7票に届かない5票にとどまった。この結果を受け、ある親方は「独断専行の仕事ぶりが不評を買ったのでは」と話した。

 理事候補が出そろって今後は職務分掌が注目される。新法人の理事長には北の湖理事長が互選されることが濃厚。九重親方が落選したことで、後任には貴乃花親方と八角親方が候補に挙がっているもよう。なかでも貴乃花親方は3年間、大阪場所担当を務め吉本興業やG大阪とのコラボ、和装デーの企画など斬新なアイデアで春場所をPRし集客に貢献してきた。将来の理事長候補として、大抜てきの可能性が高い。理事候補となった貴乃花親方は「公益財団法人に認定され、これからもっと大変な時期になる。しっかりと与えられた仕事をこなすだけ」と話すにとどめた。新法人は新たなメンバーで船出していく。

 ▼北の湖理事長の話 これで決まりではないが初めの一歩を進んだ。非常に身が引き締まる思いだ。ファンの皆さまに愛される相撲界となるために努力していく。

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