早大 食らいついた それでも見えた壁「力で負けていた」

[ 2014年1月13日 05:30 ]

<帝京大・早大>帝京大(奥)に破れてガックリの早大フィフティーン

ラグビー全国大学選手権決勝 早大34―41帝京大

(1月12日 国立競技場)
 終了を告げるホーンが響く中、早大のCTB坪郷がインゴールへ飛び込んだ。1トライ差。だが、もう次のキックオフはない。エンジの15人から一気に力が抜けた。フランカー金正奎の涙が止まらない。

 常に世界を意識し、学生ラグビーの熱さとは縁遠かったはずのFB藤田さえ泣いていた。「あそこまで点を取られて戦意喪失せず、僕らのラグビーができるのは評価に値する」。痛めた右足を引きずったまま、プロップ垣永主将は胸を張った。

 心は折れなかった。後半15分、10―34。インゴールで組んだ円陣で、垣永主将が宣言した。「ここからがワセダの時間帯やろっ」。最後の20分で走り勝つ――。速攻また速攻。「仕掛けていくしかない。流れを変えたかった」というWTB荻野の2本など3連続トライで27分に29―34と肉薄。突き放されても最後まで攻め抜いた。帝京大との決戦を見据え、対抗戦終了後に体をつくり直した成果は確かに表れていた。

 だが、実力差もはっきりしていた。ブレークダウン(密集でのボール争奪戦)の先頭に立った金は「2人目の寄りを早くしようとしたけど(相手の)1人目のタックルが凄く強かった」、フランカー布巻も「やはり力で負けていた」と明かした。開始25秒の先制トライなど前半は10―12と健闘しながら後半開始から集中力を欠いたのも響き、垣永主将は「2点差で終えて満足してしまったのかな」と悔やんだ。打倒・帝京大を掲げて1年間取り組み、それでも越えられなかった壁。「20失点前後に抑えないといけないのに40点以上取られては…」。後藤監督は肩を落とし「課題克服へあすから取り組まないと、この差は詰まらないのかな」と実感を口にした。

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2014年1月13日のニュース