白井ビックリ「シライ2」だ!新技もう1つ成功していた

[ 2013年10月19日 06:00 ]

在校生らを前に、世界体操の報告をする白井

 実は新技だった!体操世界選手権(ベルギー)の男子床運動で金メダルを獲得した白井健三(17)が18日、在学中の神奈川・岸根高で報告会に出席。席上で同校体操部顧問で日本体操協会の竹内輝明審判委員長(61)が、床運動で成功したF難度の「前方伸身宙返り3回ひねり」を新技「シライ2」として、国際体操連盟(FIG)に申請中であることを明かした。すでに2つの新技に自身の名前が付いている“ひねり王子”に、新たな勲章が加わる。

 アッと驚くニュースだった。白井の活躍を伝えるため、体育館に全校生徒約900人を集めた報告会。大会で審判員を務めた竹内顧問が「(床運動の折り返しで)前方の3回ひねりをやっています。これも初めて発表した技です。“シライ2”という名前が付く予定です」と明かした。ざわめく同級生らをよそに当の白井は笑みを浮かべた。

 白井はこの日“発覚”した3つ目の新技について「名前に関する意識というのはほとんどゼロ。自分ができる限りの演技をして名前が付いたという感覚」と打ち明けた。

 舞台裏はこうだ。すでに床運動で「シライ」と命名された「後方伸身宙返り4回ひねり」、「シライ/キムヒフン」となった跳馬の「伸身ユルチェンコ3回ひねり」はいずれも大会前に新技としてFIGに申請されていた。現行ルールでは、新技として登録されるには公式練習の24時間前に申請の必要があり、手続きを経ていたため晴れて「シライ」の名が付いた。

 問題の床運動の「前方伸身宙返り3回ひねり」は竹内顧問も「普段の練習でも見ているし、日本の大会でもやっていたから、世界で誰もやっていないとは知らなかった」と漏らした“日常的”な技。ところが試技を見た他の審判員から新技との指摘を受け、大会期間中に急きょ追加申請することになったという。世界で2人とできない技を当たり前にやっていた“ひねり王子”の凄さを象徴するエピソード。12月に開かれるFIGの技術委員会で審議され、正式認定される見込みだ。

 報告会後の会見では「(沖縄)修学旅行には行けなかったが、自分も負けないくらい楽しい旅になった」とベルギーでの活躍を振り返った白井。担任教諭からは「普段は普通の高校生。いるかいないかも分からない」と突っ込まれた無邪気な17歳だが、底知れぬ可能性がまだまだ隠れている。

続きを表示

2013年10月19日のニュース