舛ノ山 地元・千葉県栄町の星 町おこしへ3連勝

[ 2013年5月15日 06:00 ]

舛ノ山(中央)は、大喜鵬を送り出しで破り雄叫びを上げる

大相撲夏場所3日目

(5月14日 両国国技館)
 西前頭13枚目の舛ノ山は新入幕の大喜鵬を送り出して初日から3連勝を飾った。8月には地元・千葉県印旛郡栄町の後援会が町おこしの一環として千賀ノ浦部屋の夏合宿を行う計画があり、故郷に錦を飾るために奮闘を続けている。白鵬は妙義龍を寄り切って3連勝。日馬富士は北太樹を土俵際の上手投げで下し、連敗を免れた。4大関以上がそろって初日から3連勝するのは07年5月の夏場所以来6年ぶりとなった。

 丸く愛らしい顔に自信がみなぎっていた。舛ノ山は立ち合いで左を差すと、すぐに前に出た。大喜鵬が苦し紛れに腕を取りにきても慌てず、体を密着させて送り出し。その瞬間、「どうだ」と言わんばかりに大きく息を吐いた。昨年7月の名古屋場所以来の初日から3連勝。「よかったです。一本背負いというか取ったりにきたから腰をつけていった。疲れているけど余計なことは考えないようにしている」と無心で土俵に集中している。

 心臓疾患の影響で20秒しか相撲が取れない。それだけに体調管理が何より重要となる。疲れをためないため早く就寝することを心掛けているが、5月に入って気温の高い日が続いているため、既に扇風機を出している。一晩中つけると逆に体に悪いため、タイマーをセットして寝付くまでつけているという。先場所は腰痛の影響もあって負け越し。「食べ過ぎて腹が出ると腰が痛くなる」ため、食事は腹六分目程度に控え、あとは水を飲んで過ごしている。

 癒やし系の舛ノ山の奮闘で、地元の千葉・栄町でも町おこしに着手している。約200人の会員がいる栄町後援会では、8月上旬に舛ノ山の所属する千賀ノ浦部屋の夏合宿を招致する準備を進めている。そのための合宿所を建設し、土俵も新しく作っている。岡田正市町長は「舛ノ山をはじめ、千賀ノ浦部屋を盛り上げていきたい。地域の子供たちのためにも相撲教室も行いたい」とバックアップを約束した。

 舛ノ山は「地元の人たちの声援は力になる」と発奮材料にしている。西前頭13枚目だけに負け越せば幕内から陥落する可能性もある。地元のためにも一つ一つ白星を積み上げていく。

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2013年5月15日のニュース