木戸奪首!美脚隠すも“腕”見せた アプローチバッチリ

[ 2013年3月10日 06:00 ]

単独首位でホールアウトし、ジャンウンビと握手する木戸愛(左)

女子ゴルフツアー ダイキン・オーキッド・レディース第2日

(3月9日 沖縄県南城市 琉球ゴルフ倶楽部(6435ヤード、パー72)
 4位で出た“美脚プロ”木戸愛(めぐみ、23=ゼンリン)が、この日ベストとなる66で回り、通算10アンダーで単独首位に立った。オフに米国で磨いたアプローチがさえて、ボギーなしの1イーグル、4バーディーの完璧な内容。この日は自慢の美脚をパンツで隠してプレーしたが、“腕”で魅せた。また、14歳のアマチュア、新垣比菜(沖縄・うるま市立具志川中2年)が66をマークして、5アンダーの10位につけた。

 腕を試す場面が最後にやってきた。18番パー5、グリーン右のラフからの第3打。エッジからは下り、わずか5ヤードのところに切られたカップを狙うアプローチだ。1クッションさせるか、キャリーで乗せて止めるか。木戸は少し考えた後に後者を選択する。SWで柔らかく打ち出した球は、ほどよくスピンが効き、カップを2メートル弱過ぎたところで止まった。これを入れてバーディー。単独首位でフィニッシュした。

 「去年はピンチからボギーやダブルボギーを叩いたりしていたが、落ち着いてパーを拾えている。(オフの成果が)2日目のプレーにつながっていると思います」。10番でも寄せてパーセーブするなどアプローチのうまさが66の好スコアを生んだ。

 昨年までは切れ味鋭いショットとは対照的にグリーン周りに課題があった。弱点克服のためオフは米フロリダ州で練習した。世界ランク1位・ヤニ・ツェンらを指導するゲーリー・ギルクリスト氏のアカデミーに単身乗り込んだ。ゴルフ漬けの日々を送り、アプローチのバリエーションを増やした。

 「ピンチを楽しめている」という。米国武者修行の経験が精神強化にもつながった。「乗り換えも自分でして英会話の本を持って」と英語に苦労したが、1人で乗り越えたことで余裕が生まれた。帰国直後、元プロレスラーの父・修氏(63)に「落ち着いている自分がいる」と言えるほどだった。父からは「それを大事にしろ」とアドバイスされたが、そうした変化はプレーにも表れた。島中大輔キャディーも「落ち着いていますね。いいオフを過ごしたからでしょう」と証言する。

 今週のテーマは「コツコツ」。4番パー5ではイーグルを奪ったが、光ったのはしぶとさ。5番パー4ではティーショットを右に曲げながら、約12メートルから2打で収めるなど、ボギーを一つも叩かなかった。昨年9月の日本女子オープンでは、首位タイで迎えた最終日に80と大崩れしたが、その心配はなさそうだ。

 1メートル72の長身で8頭身のモデル体形。すらりとのびる美脚に注目が集まるが、この日はパンツ姿。むしろ腕の方が目を引いた。「一瞬を大切にしたいのと、オシャレから」腕時計をつけてプレーする木戸の左手には「カルティエ」の高級時計が光っていた。ツアー2勝目を決めた瞬間、その左手を高々と掲げるはずだ。

 ▼41位諸見里しのぶ バーディーがなかなか取れなくて苦しくて、苦しくて。最後は神様からのプレゼントだと思います。(18番でチップインイーグルを奪い予選突破)

 ▼55位斉藤愛璃 自分らしいプレーができたので開幕戦としては満足しています。みんなうまいですね。(前年優勝。1打足りず予選落ち)

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2013年3月10日のニュース