上原首位発進 夢への最短切符獲る!Vで米ツアーへ

[ 2012年11月3日 06:00 ]

15番、ラインを読む上原彩子

USLPGAツアー ミズノクラシック第1日

(11月2日 三重県志摩市・近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 来季からの米ツアー参戦を目指す上原彩子(28=モスフードサービス)が5バーディー、1ボギーの68で回り、申ジエ(24=韓国)と並んで首位発進した。今大会に勝てば、今月下旬からの米ツアー来季出場権最終予選会(11月28日~12月2日、フロリダ州)に出場しなくても来季の出場権が手に入るチャンス。夢実現の最短ルートに向かって、最高のスタートを切った。
【第1R成績】

 目の前に大きなニンジンがぶら下がっていれば、無意識のうちに力がこもる。「ここで一発ハマってくれれば最終予選会に行かなくてもいい。そういう気持ちでプレーしてました」。欲などないような無垢(むく)な表情でいて、上原は内心しっかりと欲を抱いていた。

 プロになった頃からの夢という米ツアー挑戦を28歳になって決断。「今年はケガもあったし、残りのゴルフ人生も自分が思うほど長くない」。現在は出場権獲得に向けた予選会の最中だが、今大会に勝てば労せずして米ツアー切符が手に入る。

 そんな上原の首位発進を後押ししたのはパットだった。強風下では2打目が3Wや5Wになるホールもあったが、17番で5メートルを沈めたように「渋いパーパットがたくさん入った」。以前からパターは太めのグリップだったが、先週からさらに太いものに変更。おかげでストロークがより安定し、ピンチをしのげた。

 3週前の米ツアー2次予選会のタフな経験もプラスに働いた。「フロリダの風も難しかった」とこの日のようなランダムな風の中で、「ほぼ初めて」というバミューダ芝に悪戦苦闘。「ゴルフの技量にはプラスになった」と成長の糧に変えた。

 何より普段のツアーとは違う“一発勝負”をくぐり抜けたことが、上原をたくましくした。2次予選は初日93位の出遅れから巻き返して突破。「凄く緊張したし、後がない戦いで新鮮だった」。その緊張感に比べれば、この試合は失うものがない代わりに得られるものは大きい。「予選カットもないし、あと2日間も思い切ってプレーしたい」。無欲では戦えない。本気で欲しいものがあるからこそ、いつも以上の力も出るはずだ。

続きを表示

2012年11月3日のニュース