ケガの功名!?孔明“首痛ショット”でV射程

[ 2012年5月13日 06:00 ]

1番ティーショット後に打球を見つめる小田孔

男子ゴルフツアー 日本プロ選手権日清カップヌードル杯第3日

(5月12日 栃木県那須烏山市 烏山城カントリークラブ=7193ヤード、パー72)
 ケガの功名で孔明が来た。時間とともに強い風が吹きつける中、首痛の小田孔明(33=フリー)が4バーディー、2ボギーでこの日のベストスコアとなる70をマーク。通算3アンダー、213で首位と2打差の2位に浮上した。谷口徹(44=フリー)は76とスコアを落としたものの、通算5アンダーで初日からの首位を守り完全優勝に王手をかけた。
【第3R成績】

 想定外の結果に首をかしげたかったが、その首は曲がらなかった。首、肩に痛みを抱えていた小田孔が無欲の進撃でこの日、ベストの70。「まぐれですわ」。最大瞬間で11・8メートルを記録した強風で上位陣が軒並み崩れる中、ホールアウトした時点で首位と4打差の4位。そして1時間半後、最終組がラウンドを終えたところで2打差2位と一気に優勝戦線に浮上した。

 開幕戦で痛め、前日から再び痛くなったという首が「朝起きたら曲がらなくなった」という。スタート前は電気とマッサージで1時間半の治療。痛み止めも3錠服用し「きょうは叩いても風のせいにできるからいいか」と自分に期待することなくコースに出た。

 ところがどうだ。スタートの1番パー5で2打目をグリーン奥まで運んでバーディーを奪うと、8番までに2ボギーもその後、強烈な追い風の15番パー4で2打目をAWで3メートルにつけてバーディーを奪うなど3バーディーを記録した。強風で威力を発揮したのが低くて強い弾道だった。この日のパーオン率は全体で4位。もともとパンチショットには定評があったが、「(首が痛くて)頭が上がらないから自然とパンチショットになるんですよ」とケガの功名を強調した。

 アンダーパーが3人という難条件での好スコアに、ロッカーでは「三味線弾いただろう」と他の選手から突っ込まれ、片山からは「きょうから三味線だからシャーミンだ」とニックネームまでもらった。「中嶋さんからは三味線を弾けるのは一流の証拠と言われたのはうれしかったですけど」と苦笑した。

 最終日はツアー6勝目、初のメジャー制覇が懸かる。転がり込んだチャンスに表情は緩みかけたが、「下心を出さずに自然体でいきます」と自らに言い聞かせてコースを後にした。

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2012年5月13日のニュース