無料開放…5月に「技量審査場所」開催 谷川親方は解雇

[ 2011年4月6日 15:33 ]

 日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、5月は通常の興行である夏場所を行わず、「技量審査場所」として無料で一般公開して8日から15日間、両国国技館で実施することを決めた。7月の名古屋場所の番付を編成するためと位置付け、記録を正式なものと扱う。横綱白鵬の7連覇が懸かる。

 相撲協会が当初から無料公開で場所を開催するのは初めて。八百長問題で3月の春場所を中止し、2場所ぶりの場所開催だが、興行としては春場所に続いて行わないことで大幅な減収となる。

 放駒理事長(元大関魁傑)は理事会後の記者会見で「通常開催できないことをおわび申し上げる。深く反省し、一日も早い(通常の)本場所開催を目指し取り組んでいく」と述べた。

 相撲協会は、長期ブランクが及ぼす力士への影響なども考慮して、場所の再開を模索。八百長に関与した23人に厳罰処分を下し、開催への道筋はついたと判断した。

 その上で通常開催を見送った理由について放駒理事長は、八百長問題の調査が4月半ばまでをめどに続くことや、再発防止策が出ていないことを挙げた。9日は夏場所の前売り開始予定日だったこともあり、同理事長は「総合的に見て一日も早く(場所の実施について)検討しなきゃいけないので」と説明した。再発防止案は、新生委員会が7日にまとめる見込み。

 臨時理事会では、八百長に関与したとして退職勧告を受けながら、退職届を出さなかった谷川親方(37)=元小結海鵬=の解雇処分も決めた。

 技量審査場所は、1月の初場所の成績で編成された地位を場所前に公表して実施。幕内優勝力士への天皇賜杯や懸賞を辞退するが、横綱土俵入りや、場所前の稽古総見と新弟子検査を行うなど、実質的には通常に近い。無料開放は、土俵付近にある特別席の維持員席は除かれる。東日本大震災の節電対策として、土俵以外の照明を普段より落とす見通し。館内に被災者への募金箱を置く。

 相撲協会は、八百長問題が2月2日に発覚し、春場所中止を決定。特別調査委員会が実態解明を進め、23人の関与を認定した。相撲協会は4月1日の臨時理事会で、引退勧告など角界追放を意味する厳罰を下し、谷川親方以外の22人が従った。

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2011年4月6日のニュース