2年ぶり公式会見で決意!遼「東北に気持ち届く」

[ 2011年4月6日 06:00 ]

練習ラウンドの17番、ティーショットを放つ石川

マスターズ

(4月7日 米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC)
 7日開幕のマスターズに出場する石川遼(19=パナソニック)は4日、2年ぶりに公式会見に臨み「東北に気持ちが届くはずだと思ってプレーしたい」と東日本大震災の被災者を思いながらプレーする決意をあらためて語った。練習ラウンドではパトロン(観客)に見守られながら、インの9ホールを回って過去2年間苦戦してきた16番パー3でバーディー。3年目の成長を目に見える形で示した。松山英樹(19=東北福祉大)もアジア・アマ選手権覇者として会見を行った。

 2年前とは大きく状況は変わっていた。石川にとって2度目となるマスターズでの公式会見。日本の新星として特別招待された09年とは違う。今回は日本ゴルフ界、そして大惨事に見舞われた日本という国を代表する立場で質問に答えた。

 約50人の記者のうち20人を外国人が占めた。海外メディアの姿はまばらだった2年前とはその点も違った。30分間の会見は通訳を介して行った。「被災した知人はいるか」「寄付を決めた理由は?」「被災地を訪問する予定はあるか」など質問の内容は震災や義援金のことが中心だったが、石川は真摯(しんし)に答え続けた。

 「自分自身が(今年の獲得賞金を義援金にするという)大きな決断ができたことで、今は100%ゴルフに集中できる。集中すればその分、東北に気持ちが届くはずだと思ってプレーしたい」

 この日は3人の会見が行われたが、うち2人が日本人というのも今までにないことだった。被災地への思いを心に刻んで臨む今年の大会。会見に先立って行った練習ラウンドでは、その集中力から価値あるバーディーも生まれた。

 石川にとって鬼門となっている16番パー3。一昨年は2日目に予選落ちを決定的にするダブルボギーを叩き、昨年もカットラインぎりぎりにいた2日目にボギーを叩いた。この日のピンは手前の易しい位置だったとはいえ、奥1メートルにつける会心のバーディーでいいイメージをつかむことができた。

 水切りショットの見られる16番は、練習日で一番の人気スポットでパトロンの数も多い。月曜日から大ギャラリーの入るマスターズのスタイルに、これまでは「練習にならない」と違和感を覚えてきたが、今年はパトロンの重圧に負けずに大歓声を引き出した。

 「これだけたくさんの人に囲まれても緊張せずに自分の練習ができた。これまでの2回とは全然違うなと思います」。経験を生かし、成長を示した。表情も自信に満ちている。開幕の時は刻一刻と迫っている。

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