運営審議会 夏場所開催を相撲協会に申し入れ

[ 2011年3月9日 06:00 ]

<大相撲・運営審議委員会>会議室に入る五味康昌氏、安西会長、塩川正十郎氏(左から)ら委員

 日本相撲協会の諮問機関である運営審議会(安西邦夫会長)は8日、東京・両国国技館で臨時の会合を開き、八百長問題で開催が危ぶまれている夏場所(5月8日初日、両国国技館)開催を相撲協会に要望した。横綱審議委員会も夏場所開催を相撲協会に申し入れる方針を固めており、八百長問題の全容解明を最優先する放駒理事長(元大関・魁傑)の判断にも影響を与えそうだ。

 運営審議会は相撲協会の予算や運営などについて提言を行う組織だが、この日の会合では八百長問題を取り上げた。安西会長ら3人が出席。放駒理事長から経過説明を受けた。安西会長は過去の究明には限界があるとし「相撲にはファンもたくさんいるし継続性が必要。5月場所は実施の方向で考えてほしい」と出席者3人の総意として夏場所開催を要望した。

 放駒理事長はあらためて特別調査委員会の調査終了後に判断すると回答し「(夏場所のことは)承りました。運営審議会の先生方は相撲を愛する方々なので、そういう気持ちだったのでしょう。ただし、調査委員会の結果が出てから次のことを考えます」と話した。

 夏場所開催に関しては横綱審議員会が10日に開く臨時の会合で、相撲協会に開催を申し入れる方針を固めている。運営審議会もこれに同調する形となった。

 相撲協会のルールブックである寄付行為には、運営審議会は協会の予算・決算および運営に関する事項について諮問され、必要とあれば理事長に対し建議することができると規定。さらに理事長はその意見を聞かなければならないとも定められている。今回は正式な答申ではないものの、協会としても軽視できない。

 放駒理事長は八百長の全容解明が完了しない限り本場所は開催しないことを明言している。しかし、外部からの“圧力”は日増しに高まっている。早期の決断を迫られる可能性も出てきた。
 

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2011年3月9日のニュース