“美しすぎるカー娘” チーム青森の6連覇阻止

[ 2011年2月14日 06:00 ]

優勝カップを持ち笑顔の市川

カーリング日本選手権最終日

(2月13日 北海道・名寄サンピラーパーク)
 女子決勝は中部電力が5連覇中の女王・チーム青森を6―4で下し、初優勝を飾った。チーム結成2シーズン目。“美しすぎる”としてネット上などで話題を集めるサードの市川美余の21歳が最年長という若き女王が、今秋のパシフィック選手権日本代表に内定し、国内の新時代到来を宣言した。本橋麻里(24=NTTLS)率いるロコ・ソラーレ北見は準決勝でチーム青森に屈したものの、3位決定戦で名寄協会を下し、表彰台を確保した。

 チーム青森からギブアップを告げる握手を求められた瞬間、大きな目を細め、次にガラス張りの客席に向け、万歳でジャンプした。平均年齢20・25歳の若き女王の誕生。歓喜の輪の中心にいたのは、チーム最年長21歳のサード市川。「大会が早く終わった気がするし、まだ実感が湧かない。優勝したんですねー、みたいな感じ」と目をパチパチさせた。

 結成わずか2シーズン目の中部電力だが、市川のルックスで話題は先行していた。ネット上でついたニックネームは、美しさが余ると書く美余(みよ)の名前にちなんで「美しすぎるカーリング選手」。だが、実力は本物だった。前日の決勝進出決定戦では、得意の力強いストーンでダブルテークアウトを連発。LS北見のチャンスをことごとくつぶした。この日もきわどいコースに速いストーンを正確に通し、女王の戦術を狂わせた。

 もちろん、チームの潜在能力も計り知れない。「社員が応援できる競技で、将来性や地域性を考えて選んだ」(和田博明監督)カーリングで、ジュニア時代から活躍する有望選手を集め、一昨年、昨年と秋には単独でカナダ遠征を行うなど、強化を図った。普段は市川と清水が上田営業所、佐藤、藤沢が佐久営業所に勤務し、終業後に軽井沢で合流し練習。2年連続の世界ジュニア代表で、19歳でスキップを務める藤沢は「練習量はどこにも負けないし、その自信があった」と胸を張った。

 98年長野五輪で感動した母が始めたカーリング。伴われる形で小学校2年から始めたという市川は、中学で知り合った佐藤を誘い、2人が中心選手となったチームが日本一になった。この優勝で11月に中国で開催予定のパシフィック選手権代表に内定。初めて日の丸を背負うその大会で2位以内に入れば、来年の世界選手権出場権も確保する。14年ソチ五輪に向け、群雄割拠の時代を迎える女子カーリング界。市川は「オフシーズンのトレーニングにかかってくると思うし、もっとレベルアップしたい」と表情を引き締めた。もはや話題性だけの存在ではない。

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