まさに鉄人 38歳葛西が連覇

[ 2011年1月9日 16:34 ]

優勝した葛西紀明=大倉山

 ノルディックスキー・ジャンプのSTV杯国際大会は9日、コンチネンタル杯を兼ねて札幌市大倉山(HS134メートル、K点120メートル)で行われ、1回目に最長不倒の134・5メートルを飛んだ38歳の葛西紀明(土屋ホーム)が2回目も131・5メートルをマークし、合計278・8点で2大会連続4度目の優勝を果たした。葛西と同じ海外遠征帰りの伊東大貴(雪印)が132メートルをそろえて273・7点で2位。前日2勝した湯本史寿(東京美装)は238・6点で8位、船木和喜(フィット)は10位だった。

 課題の踏み切りや着地は修正途上。それでも、調子を上げつつある葛西が貫禄を見せた。同じW杯遠征組の伊東の追い上げをかわして「連覇できてうれしく思う」と喜びをかみしめた。

 1回目は程よい向かい風の中、ヒルサイズを越える大飛躍でトップに立った。2回目は「優勝が見えて、今季初めて緊張した。踏み切りが遅くて、飛んだ瞬間やばいと思った」というが、うまく風をとらえて130メートルを越えた。「いい方向に体が動いてくれた」とベテランらしい対応力の高さを発揮した。

 昨年8月に右ひざの靱帯を伸ばした影響で今季は出遅れた。踏み切りや着地姿勢が「まだばらついている」という状態だ。W杯もここまで16位が最高と、存在感を示せないままに帰国したが、前日のHTB杯の2位と合わせて、復調の兆しを見せている。

 日本の柱は意気盛んだ。「この勢いで調子を上げて、強い選手がいる中でいい成績を残したい」。15、16日に札幌で行われるW杯や、代表入りが確実な世界選手権に向け弾みをつけた。

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