遼くん、薗田とコンビで連勝!マナセロ組返り討ち

[ 2011年1月9日 06:00 ]

5番、連続バーディーとなるロングパットを決め、下を向いておどけたポーズを見せる石川

 男子ゴルフのロイヤル・トロフィー第2日は8日、タイ・ホアヒンのブラックマウンテンゴルフクラブ(420ヤード、パー72)で行われ、石川遼(19=パナソニック)が3ホールを奪う活躍で連勝した。薗田峻輔(21=フリー)とペアを組み、マテオ・マナセロ(17=イタリア)、パブロ・マルティン(24=スペイン)のペアにフォアボール方式で3&2。初日に続いてマナセロを返り討ちにした。アジアは4戦全勝で欧州を6―2でリード。最終日はシングルスのマッチプレーを行う。

 注目の10代対決は石川が2日間にわたって強さを見せつけ、完勝した。「グリーン上が引き続き良かった。入るような距離じゃないものまで入った。ダブルスの方がパットが決まるのかな?」。1人で3ホールを奪う活躍に19歳の笑顔がはじけた。

 同じペア同士の対戦はこの日もパッティングがさえた。5番パー4では「フックして最後は真っすぐ」という13メートルのバーディーパットをねじ込んだ。10番では5メートルを入れ、勝負を決めた16番では10メートルを読み切り沈めた。堂々のプレーはイタリアの新星、17歳のマナセロの心をも乱した。それほど隙のない内容だった。

 石川がバーディーを奪った5番。マナセロは第2打をグリーン左のバンカーに入れるとクラブを投げ捨てた。続く第3打もミスすると今度はクラブでバンカーを叩き、後方のギャラリーに砂を浴びせて平謝り。大会前に「周囲は遼との対戦を希望しているけど僕もそのつもり」と挑戦状を叩きつけていたが、この日は「才能がある。何をすべきかよく分かっている」と素直に負けを認めた。

 前夜は中華料理店でアジアチームの夕食会が開かれ、尾崎直道主将が「気合を入れ直そう」とゲキを飛ばすとチームは一丸となった。尾崎主将の横で過ごした石川は「チームのコミュニケーションが取れたと思う」と振り返る。この日、薗田との息はピタリ。「先輩のショットが安定して支えられた。これからも長くコンビを組めると思う」と最強ペア誕生への手応えもつかんだ。

 最終日は過去2大会で勝っていない個人戦。世界ランク69位のデービスと対戦する。「本当の実力が見えるのは最終日。欧州のトップにどこまで通用するのか試したい」と2大会ぶりの優勝へ決意を示した。

 ≪“火事”にも動じず…≫石川がバーディーを奪った10番でハプニングがあった。第2打をグリーンに乗せて歩き始めると、前方にそびえる山「ブラックマウンテン」から白い煙が上がっていた。薗田が「あれ、絶対火事だよね」と驚く“ボヤ騒動”。それでも、「気になりませんでしたよ」と石川は動じることはなかった。

 ◆競技方法 アジアと欧州の各8人が2人ずつコンビを組み、初日は1つのボールを交互に打つフォアサム、2日目は各選手が自分のボールをプレーしホールごとに良い方のスコアを採用するフォアボールで戦った。最終日はシングルス。すべてマッチプレーで争う。勝者には1ポイント、引き分けは両者に0・5ポイントずつ与えられ、その合計で勝敗を決定する。

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