立浪一門が提案へ“若手親方で改革委員会”

[ 2010年8月3日 06:00 ]

 大相撲の立浪一門は2日、両国国技館で一門会を開き、日本相撲協会の改革に向けた親方衆だけによる「改革委員会」の設立を年寄総会に提案することを決めた。23日開催予定の年寄総会で他の4つの一門に呼びかける方針。相撲協会の改革については外部有識者だけによる「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」が活動を始めているが、外部や協会幹部に改革を任せきりにはできないという中堅、若手親方衆の意向が表面化してきた。

 一門会では、7月31日に行われた独立委員会の第3回会合にオブザーバーとして出席した春日山親方(元幕内・春日富士)が会議内容を報告。その上で、協会改革を独立委員会だけに任せるのではなく、協会内部でも話し合う「委員会」が必要との意見でまとまった。23日には協会が親方衆や関取ら協会員を集めて意見交換会を開くが、その前に年寄総会を開いて他の一門に呼びかける方針。「改革委員会」メンバーは理事以外の若手親方を中心とする意向だ。春日山親方は「(親方衆も)考えていることをオープンにするべき。今までは上の人たちに言えなかったけど、これからは言う」と決意を口にした。
 親方衆が自発的に協会改革を目的とした組織づくりを進めるのは極めて異例。だが、立浪一門では名古屋場所中から、親方衆による独自の委員会を立ち上げたいとの声が出ていた。その意見を春日山親方が7月31日の独立委会合で述べると、独立委メンバーからも「賛同を得られた」という。同親方は「理事会で、独立委の意見と自分たちの意見を両方聞いてもらいたい」と意図を説明した。出羽海一門代表として独立委会合に出席した春日野親方(元関脇・栃乃和歌)も「もっと若い親方の意見を聞いた方がいい」と賛同を表明。他の一門も近く一門会を開き総意をまとめる予定だ。
 中堅、若手親方衆の間には、重要事項を独断で決め、改革も独立委へ丸投げ状態の協会執行部への不満がたまっている。ある親方は「新聞でしか情報が分からない。(独立委メンバーとは)会う機会がないし、信頼関係もない」と本音を漏らした。一方、執行部の尾車親方(元大関・琴風)は「オブザーバーとして親方衆は会合に出ているのだから、それをもっと重視した方がいい」と困惑。自ら改革へと立ち上がった若手親方たちの動きに注目が集まる。

 ≪協会は4日に協議≫相撲協会は独立委員会から提示を受けた暴力団排除対策案の骨子について、4日に臨時の理事会を開いて協議すると発表した。独立委は理事会の返答を踏まえ、暴力団が観戦していた維持員席の問題と合わせて、12日の第4回会議で相撲協会に提言する最終案をまとめる。7月31日に示された骨子には暴力団との交際や違法賭博の禁止、そうした事例に触れた場合の理事長への報告義務、警察庁などと連携しての対策協議会の設置、暴力団排除宣言の実施などが盛り込まれている。

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2010年8月3日のニュース