北京の悪夢振り払った!小林 女子5千決勝へ

[ 2009年8月20日 06:00 ]

<世界陸上 女子5000メートル・予選>アフリカ勢に必死にくらいつく小林祐梨子(右)

 世界陸上第5日は19日、ドイツ・ベルリンのベルリン五輪スタジアムで行われ、女子5000メートル予選で、同1500メートル日本記録保持者の小林祐梨子(20=豊田自動織機)が22日の決勝進出を決めた。15分23秒96の2組8着で自動通過の各組5着以内は逃したものの、タイムで拾われた。15日の同1万メートルで7位に入賞した中村友梨香(23=天満屋)も自己ベストの15分21秒01をマークし、1組6着で予選通過。女子200メートルの福島千里(21=北海道ハイテクAC)、高橋萌木子(20=平成国際大)はともに予選で敗退。男子走り高跳びの醍醐直幸(28=富士通)と同110メートル障害の田野中輔(30=同)は予選で敗退した。

 大舞台での借りは大舞台でしか返せない。昨年の北京五輪女子5000メートルではわずか0・75秒差で決勝進出を逃した小林が、後方待機の展開から最後に全力を振り絞った。自己ベストの15分5秒37には及ばなかったが、今季自己ベストの15分23秒96。予選2組8着となり自動的に通過が決まる各組5着以内は逃したものの、タイムで残り上位5人に入った。はじける笑みを浮かべた20歳が充実の汗をぬぐった。
 「スタートしたらタイムを見ずに、レースを楽しんだら決勝がついてくると思った」
 1500メートルで日本記録を持つ屈指のスピードランナーだが、ベルリンへの道のりは険しかった。4月上旬に左太腿を肉離れし、競技人生最長となる1カ月半の休養を強いられた。練習ができず、体も心も重くなった。「5月はデブデブだったし、走る気持ちもなくなった」。それでも、5月下旬にウオーキングを開始すると、2週間弱の調整で日本選手権で3位に入り代表に滑り込み。ベルリン入り後は、女子1万メートルで7位に入賞した中村のレースを見て「凄く燃えた」という。
 「いい意味で落ち着かなかった。私もやりたい、やれないもんじゃないって思った」
 22日(日本時間23日)の決勝では、本気で走るアフリカ勢に挑戦する。「(決勝は)中村さんが引っ張ると思う。記録を狙ういいチャンス。まずは14分台を出したい」。15分を切れば福士加代子に次いで日本女子2人目。5000メートルでの入賞なら97年アテネ大会の弘山以来12年ぶり。2つの目標を胸に、小林が夢のファイナルを疾走する。

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2009年8月20日のニュース