オーガスタの洗礼!ワナに迷い込んだ遼くん

[ 2009年4月3日 06:00 ]

滞在先のゴルフ場で、地元のファンとポーズをまじえて談笑する石川遼

 遼くんがオーガスタの洗礼を浴びた。石川遼(17=パナソニック)は1日、初のメジャー出場となるマスターズ(9~12日、オーガスタ・ナショナルGC、ジョージア州)に向けて2度目の練習ラウンドを行った。2アンダーで回った前日の初ラウンドとは一転、2バーディー、5ボギーの3オーバー。起伏が激しく、コース内を流れる小川の影響を受ける難解なグリーンに四苦八苦した。

【特価ゴルフクラブ】

 前日の初ラウンドを「感動の嵐」と表現した石川が「きょうは3パットの嵐」と苦々しい表情で振り返った。3、6番は3パットのボギーを叩き、13番パー5でも2オンに成功しながら3パットでチャンスをフイにした。
 その内容も凡ミスではなく、ラインが分からずに大ショート、大オーバーを繰り返してのものだった。「ビックリするぐらいグリーンが難しかった。最後の方は、このラインに打つけどどうせ合ってないだろうという気持ちになった」と戸惑いを隠せなかった。
 オーガスタのグリーンは“ガラスのグリーン”と呼ばれるほど速いことで知られる。まだトーナメントの前週でグリーンは本番のセッティングにはなっていない。しかもこの日は雨が降ったにもかかわらず、ボールはよく転がった。激しい起伏にも苦しめられた。だが、それ以上に石川を悩ませたのが「意識し始めると難しくなる」という“レイズ・クリークのわな”だった。
 レイズ・クリークはコースの東南、11番から13番にかけて流れる小川“レイズ・クリーク”のことで、18ホールすべてのグリーン上でレイズ・クリークの方向にボールが転がりやすくなっているという。川に向かってのアプローチを残した11番では、狙い通りに打った球が「全然止まらなくって」5メートル以上もオーバーしそうになった。ピンを直撃して難を逃れたがレイズ・クリークの影響の大きさを肌で感じた。
 前日にはコース中央にある17番で「傾斜はフックだったのにスライスした」と思わぬ転がり方に驚き、ハウスキャディーから「なぜかこのホールは特に影響が強く出る。みんなパターで悩んでるよ」と説明を受けた。
 「試合になったらもっと真剣にラインを読むし、距離感も考えるようになる。そうすると、もっと難しくなる。これから毎日グリーンは難しくなっていくでしょう」。考えれば考えるほど迷い込む袋小路。これをクリアできるかどうかで成績も大きく変わる。やはりオーガスタは一筋縄ではいかない。

 ▼レイズ・クリーク コースの東側を流れるサバンナ川の支流。1780年頃に周辺の地権者だったジョン・レイ氏にちなんで名付けられた。96年大会では6打差の首位で最終日を迎えたG・ノーマンが12番でクリークに落としてN・ファルドに逆転を許すなど、数々のドラマを演出してきた。

続きを表示

2009年4月3日のニュース