見せ場たっぷりクルム伊達「世界と戦えた」

[ 2009年1月20日 06:00 ]

カイア・カネピ戦で懸命にリターンするクルム伊達公子

 全豪オープンテニス第1日は19日、オーストラリア・メルボルンパークで行われ、予選を突破して13年ぶりに出場したクルム伊達公子(38)が、女子シングルス1回戦で第25シードのカイア・カネピ(23)と対戦。3時間近い熱戦の末、4―6、6―4、6―8で惜敗した。4大大会の連続出場記録を59に伸ばした第26シードの杉山愛(33)は3年連続で初戦を突破。第1シードのエレナ・ヤンコビッチ(23)も初優勝へ向け好スタートを切った。

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 2時間50分の激闘。気温33度、ハードコートの強い照り返しの中、クルム伊達は15歳年下の強豪と互角の戦いを演じた。第2セット終盤に右ふくらはぎにけいれんを起こし、治療のため約2時間遅れて会見場に現れると「パワフルでスピードのある、今の世界のテニスとある程度戦えた。残りのグランドスラムにも挑戦したい」と手応えを口にした。
 96年1月18日、2回戦で遠藤愛に1―2で敗れて以来、4750日ぶりに全豪本戦の舞台に立った。相手のカネピは昨年の全仏8強で、世界ランキングは28位。復帰後では最高ランクの対戦相手で、1メートル80の長身から繰り出す強烈なサーブとパワフルなフォアは「今のテニスの象徴」(クルム伊達)だった。
 第1セットはパワーに圧倒されたが、「強いサーブへの適応力がついた」第2セットは積極的なリターンでリズムをつくり6―4で奪取。第3セット、5―6で迎えた第12ゲームでは相手のマッチポイントを3度はね返してサービスブレークする粘りを見せた。第13ゲームをファーストサーブを8本外すミスで失い力尽きたが、カネピからは「(年齢の割に)とても若くてよく動いていた。38歳でプレー? 私には無理ね」と感心された。「今後の課題はショットの安定感だと思う。まだランキング(184位)が低いので、早くポイントを稼いで上のレベルを目指したい」とクルム伊達。世界の第一線でプレーできる自信をつかみ、会場を去った。

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2009年1月20日のニュース