さくら 406日ぶりに勝った笑った!

[ 2008年11月24日 06:00 ]

406日ぶりの優勝を飾った横峯さくらはウイニングボールをギャラリーに投げ入れる

 女子ゴルフツアーの大王製紙エリエール・レディースオープン最終日は23日、愛媛県松山市のエリエールゴルフクラブ松山(6442ヤード、パー72)で行われ、単独首位から出た横峯さくら(22=エプソン)が前半に自己ベストのハーフ30を出し、66をマーク。通算11アンダーで昨年10月の富士通レディース以来となる通算9勝目を挙げ、406日ぶりの勝利に酔いしれた。賞金ランクも2位に浮上し、逆転での賞金女王に望みをつないだ。2位から出た金田久美子(19=クラーク記念国際高卒)は10位、今季最終戦となった宮里藍(23=サントリー)は3位だった。

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 15センチのウイニングパットを沈めた横峯は、406日ぶりに心の底から笑った。「すごい久しぶりですね。本当にうれしいです!これまで優勝争いをしてきて(勝てず)、焦りがないと言ったらウソになる。自分にプレッシャーをかけました」。有言実行の今季初勝利に、過去8勝とは違う喜びをかみしめた。
 他を圧倒するプレーだった。1番、2番でそれぞれ3メートル、3番で4メートルを入れて3連続バーディー。6番では8メートルをねじ込むなど、今週から使用しているピンタイプの新パターが威力を発揮した。前半だけで6バーディーを奪い、ハーフの自己ベスト30をマークした。それでも「アテスト(スコア提出)の時にハーフが30だって思いました」と最後まで集中。プロキャディーの田谷まり子さん(34)と約束した「一喜一憂せず平常心」を貫き圧勝した。
 四国の地でリベンジを果たした。同じ四国の高知で開催された3月の「PRGRレディスカップ」では、最終18番で50センチのボギーパットを外してプレーオフの末に敗れて涙した。この敗戦が尾を引き、その後は優勝から長く遠ざかることとなった。「あの時はドライバーが未熟だと思ったけど、手が震えるぐらいの緊張感があって精神的に弱かった」。試合に付き添う次姉の彩花さん(25)から「勝つ人は決まっているんだよ。自分のするべきことをちゃんとして、それで勝てなかったら仕方ないよ」と励まされたこともあった。勝てない日々で培った精神的な強さがあったからこその勝利だった。
 未勝利のトンネルを抜け出すと同時に、年間獲得賞金額は2年連続で1億円を突破し、賞金ランク2位に浮上。あと27万円に迫った生涯獲得賞金4億円の突破は確実で、次週の最終戦「LPGAツアー選手権」(27~30日)の結果次第では、大逆転での賞金女王となる可能性もある。「優勝できて、もう吹っ切れると思う。すごくいい状態で臨めるし、最後まであきらめずに頑張ります」。悪夢を乗り越えたヒロインには、最高のフィナーレが待っている。

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2008年11月24日のニュース