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ACL初参戦のJ2甲府 サポーターもクラブもアジアの“探検”を楽しむ

[ 2023年8月31日 10:32 ]

試合に臨む甲府イレブン
Photo By スポニチ

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグの組み合わせ抽選がクアラルンプールで行われた。昨年の天皇杯を制し、クラブ史上初参戦を決めたJ2甲府はH組でメルボルン・シティー(オーストラリア)、ブリラム(タイ)、浙江(中国)と同組となった。都内では甲府サポーター有志がACL組み合わせ抽選観戦会も実施するなど初めての“アジア遠征”へ気持ちを高めていた。

 抽選会開始時刻の8月24日午後5時。都内某所に集まった甲府サポーターが中継映像に釘付けになった。「W杯の抽選会よりもACLの方が緊張しますよね…」。文字通り固唾(かたず)をのんでドローを見守った。

 POT2に入った甲府は抽選の2巡目。「VENTFORET KOFU」の名前が読み上げられ、すでにメルボルン・シティーが入っていたH組に入った。「うわ~!遠征費かかるじゃん!」。まさかの初戦が南半球となったことを驚く一方で早速その場で航空券、ホテルをチェック。30代男性会社員の方は「日の丸ってどこで買えますかね?」などと、まるで旅行準備のような雰囲気を醸し出していた。
 
 クラブ側からもワクワク感が伝わってくる。以前、天皇杯の取材でJITスタジアムを訪れた際、甲府の小野博信広報と話をする機会があり、自然とACL談義に花が咲いた。

 すでにACL経験チームからいろいろと情報収集していた敏腕広報の口からは意外な言葉が飛び出した。

 「トイレットペーパーも持って行かないといけないととも聞いたんですよ!」

 小野さん、何言ってるんですか?トイレ紙くらいあるでしょ、といぶかしがったが、実際はそうではないらしい。

 「アウェーの洗礼というか、練習場にトイレットペーパーが備え付けてないこともあるようです。全部こちらで用意するぐらいの準備、キャンプに行くような準備をしないと駄目です!」

 小野さんもアジアでの戦いが大変なことは承知で、この忙しさを楽しんでいるようにも見えた。

 参考までに数年前に取材でインドネシア・ジャカルタを訪れた際、「ペットボトルの水で歯磨きしたくらい生水には気を付けた」という経験談を伝えておいた。結局、水には気を付けていたが、屋台で食べた物が原因なのか、お腹を下したので真実は分からない…。

 J1昇格とACLという二輪を回すのは地方の小クラブにとって、人的にも資金的にも大きな負担になることは間違いない。ただ、甲府サポーターをはじめ、クラブもその“探検”を楽しんでいるようにも見えた。
 かつてJ1に初昇格した2006年シーズンのクラブスローガンを「探検J1」とした。今回も同じようにクラブもサポーターも選手も「探検ACL」というくらいの気持ちで戦ってきてほしい。(記者コラム・河西 崇)

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