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川本治氏 南野は移籍して正解!!ダブルトップ下で躍動、持ち味生きる

[ 2021年2月8日 05:30 ]

プレミアリーグ   サウサンプトン2―3ニューカッスル ( 2021年2月6日 )

鮮烈なデビュー弾を決めガッツポーズの南野(AP)
Photo By AP

 リバプールからサウサンプトンに期限付き移籍した日本代表FW南野拓実(26)が6日のニューカッスル戦で初出場し、前半30分にいきなりゴールを決めた。南野の復活を専門家はどう見たか。スポニチ本紙評論家の川本治氏(68=元ジェフ市原強化部長)はリバプール時代とは違うダブルトップ下の左に入ったのが、功を奏したと分析した。

 南野の新しい魅力を引き出すいいゴールだった。左サイドからのパスを相手選手2人の間から前に出て受けた。トラップがイメージより大きかったが、バランスを崩しながら左足を振り抜いた。助走がついた分、パワーがボールに乗った強いシュートになった。

 相手の間から飛び出してパスを受けるのは元々得意だが、タイミングも良かったし、コースも「ここしかない」という絶妙なシュートだった。もしも足元にピタリと止まっていたらもうワンタッチする必要があり、逆に強いシュートは打てなかったかもしれない。

 サウサンプトンに移籍し、システムが変わったことは南野にはプラスだった。リバプールでは3トップの左が多く、前向きにボールを受けて前のスペースを使うことが多かった。サウサンプトンは4―2―2―2で、2トップの後ろにトップ下を2人置いている。南野は左のシャドーで、中央でプレーすることが多い。ゴールを背にボールを受けることが多かったが、ゴールに近い位置でプレーでき、ボールもより多く触れるのでゴールに絡める。この位置の方が持ち味が出せて南野のゴールも増えると思う。

 また南野はファウルを受けることが多く、チームとしてもいい位置でFKをもらえるのは大きい。FKが得意なウォードプラウズがいて、セットプレーは大きな得点源になっているからだ。この日も2点目は南野のパスから得たFKをウォードプラウズが決めた。

 日本代表でもトップ下をやることがあるが、動き方は違う。サウサンプトンのやり方は動きに制約があるものの、ゴールに近い位置でプレーできることは南野には好都合。周囲とのコンビネーションが高まり精度の高いパスが来るようになればもっとゴールも決められる。ゴールは攻撃の選手にとってなによりも説得力がある。いい移籍だったと思う。

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2021年2月8日のニュース