×

森保監督に“奇人のススメ” 西野氏が金言「成功に結びつく」

[ 2017年10月31日 05:30 ]

就任会見を終えた森保監督は、日本サッカー協会・田嶋会長と西野技術員長(左)とポーズを取る
Photo By スポニチ

 サッカーの20年東京五輪代表を率いる森保一監督(49)が30日、都内で就任会見を開いた。93年のW杯米国大会アジア最終予選で“ドーハの悲劇”を経験して培った不屈の精神を胸に、メダル獲得に全身全霊を注ぐことを宣言。96年アトランタ五輪で代表監督を務めた西野朗技術委員長(62)からは、奇人・変人と思われるほどの高い要求を周囲にするべきとの助言を受けた。

 新調した日本代表スーツに身を包んだ森保監督は「全身全霊をもって五輪に向かいたい。メダルを獲得できるように頑張りたい」と力を込めた。目標は3位に輝いた68年メキシコ五輪以来のメダル獲得。言葉を選びながらの丁寧な受け答えに実直な人柄が表れた。

 日本国民の期待を背負う大役だが、不安はない。終了間際の失点でW杯米国大会出場を逃した93年10月28日イラク戦、“ドーハの悲劇”を経験。「サッカーをやる限り、あれ以上に悲しい思いをすることはない。どん底、心が折れた時も、その後、成長するために全てをポジティブに考える必要があることを教えてもらえた」と不屈の精神を培った。悲劇から24年後、会見2日前の10月28日が東京五輪開幕の、ちょうど1000日前だったことも運命じみている。

 大先輩から金言も授かった。同席した西野技術委員長は96年アトランタ五輪で日本を率いて、ブラジルを破る“マイアミの奇跡”を演出。Jリーグ草創期でアマ意識の抜けなかった日本協会やJOCに海外遠征など、高い要求を続けてチームを強化した過去を明かし「当時、監督はおかしいのでは、と言われた。奇人・変人と言われることが成功に結びつく。要求をストレートに出してもらいたい」と助言した。

 現役時代は玄人好みのボランチ。無名の存在からオフト監督に日本代表に抜てきされた。自身の例もあり「五輪でプレーできる世代であれば、実績に関係なく扉は開かれている。選手の力関係が変わる年代。より多くの選手を見ながらチーム力を引き上げたい」との方針を打ち出した。初陣は12月にタイで開催される国際大会。約2年半に及ぶ冒険が幕を開ける。

 ◆森保 一(もりやす・はじめ)1968年(昭43)8月23日生まれ、長崎市出身の49歳。長崎日大高から87年に広島の前身、マツダに入団。広島、京都、仙台でプレーし、04年1月に現役引退した。J1通算293試合15得点、日本代表として国際Aマッチ35試合1得点。指導者としてはU―20日本代表コーチ、広島コーチ、新潟コーチなどを経て、12年に広島監督に就任。今年7月に辞任するまで、J1リーグ3度の優勝に導いた。愛称は「ポイチ」。1メートル74、68キロ。家族は妻、息子3人。血液型A型。

続きを表示

2017年10月31日のニュース