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墜落死ケンペスにささぐ!C大阪 昇格PO制し3年ぶりJ1帰還

[ 2016年12月5日 05:30 ]

明治安田生命 J1昇格プレーオフ決勝 ( 2016年12月4日    金鳥スタ )

J1昇格を決めて喜ぶC大阪イレブン
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 J1昇格プレーオフ決勝が4日、キンチョウスタジアムで行われ、C大阪が1―0で岡山に勝利し昇格を決めた。後半7分にCKのこぼれ球をMF清原翔平(29)が押し込み先制点。その後の反撃を全員でしのぎきり、完封で締めくくった。昨季は涙をのんだ決勝で勝ちきったことで、C大阪が3年ぶりにJ1の舞台に返り咲くことになった。 試合結果  J2順位表

 試合終了の瞬間全てを出し切った選手らはピッチに倒れ込んだ。C大阪は「最後になってやりたいサッカーができた」と大熊監督が話したように一丸となり昨季逸したJ1への切符をつかんだ。

 1年前、福岡とのプレーオフ決勝は1点リードを守り切れず、涙に暮れた。同じ舞台で“リベンジ”を果たしたのは清原だ。後半7分。相手GKに当たったボールがこぼれてきた。倒れ込みながら瞬間的に左足を伸ばして値千金のゴール。「ただ詰めるだけだったけど、そこを狙って1年間やってきた」と胸を張った。

 10年の札幌大卒業後、JFL「SAGAWA SHIGA」に入団。その後、移籍した金沢では14年にJ3優勝とJ2昇格決定に貢献。今季C大阪に加入すると、チームを再び昇格させ、自身もJFLからJ1まで成り上がることに成功した。

 右足首のケガから先月に約5カ月ぶりに復帰した柿谷はJ1復帰の喜びに浸った。今季バーゼルからチームに戻ると、主将に就任。リハビリの日々を思い出し「少し無理したが昇格のため後のことを考えずにやった。監督を信じて1年間やってきて良かった」とうれし涙を流した。亡き友の無念も背負った。11月29日にコロンビアで起きた墜落事故で、12年にともに戦ったケンペス選手が亡くなった。柿谷の発案で「KEMPES 9」のユニホームを作製。試合前にはそれを着て入場し、試合後のセレモニーでも着た。「見てくれていると思ったし、恥ずかしいところは見せられなかった」。天国の友にささぐ昇格だった。

 今季加入の清原、生え抜きの柿谷、今は亡き助っ人…。C大阪を愛する人全ての思いがこの日、結実した。

 ▽セレッソ大阪 1957年創部のヤンマーディーゼルサッカー部を前身として93年に発足。95年にJリーグ加盟。ホームスタジアムはヤンマースタジアム長居およびキンチョウスタジアム。チーム名の「セレッソ(Cerezo)」はスペイン語で「桜」という意味で桜は大阪の「市花」。J1では10年の3位が最高。天皇杯では01、03年に準優勝。過去の主な所属選手は森島寛晃、香川真司ら。

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