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サッカー界の未来へ向かって…OB、OGが団結しバックアップ体制を

[ 2016年10月6日 11:15 ]

 10月1日に旧JSL(日本サッカーリーグ)丸の内5社親善試合が東京・巣鴨で開催され、約100人の元日本リーグ選手らが参加し、往年の妙技を披露した。メキシコ五輪銅メダリストの杉山隆一氏、横山謙三氏、片山洋氏らのほか、奥寺康彦氏、藤口光紀氏ら元日本代表の選手も多数参加した。

 杉山氏は今の日本代表について「技術はうまくなったが、世界のレベルも上がっていて、うまいだけでは勝てない。プラスアルファが必要」と言う。そして「育った過程が違う。僕たちの頃は縦社会で、メンタルが違った」と、厳しい評価を下した。

 日本リーグは1965年に開幕。28年間27シーズン行い、92年に役目を終えてJリーグに移行した。その間に68年メキシコ五輪の銅メダル獲得など栄光の時代もあったが、その後は五輪予選突破も果たせず、サッカー人気も低迷した。

 日本リーグ設立当初、中心になったのが「丸の内御三家」の古河電工、日立、三菱重工(三菱自動車)だった。日本リーグ終了後は一堂に会する機会も少なかった。各社のライバル意識が強く、交流もなかった。Jリーグができて10年たった頃、古河電工OBでメキシコ五輪主将の八重樫茂生氏(故人)が「みんなで楽しくサッカーをやろう」と、日立と三菱重工に呼びかけ、05年に丸の内3社親善試合がスタート。のちにフジタ(藤和不動産)と日本鋼管(NKK)が加わり5社になった。

 日本リーグの事務局は数人しかいなかった。各社が分担してリーグの運営を行った。一方、日本協会も事務局は10人もいなかった。各社がボランティアで協力し、日本代表の監督やコーチも企業が“出向”で派遣した。

 Jリーグができて来年で25年になる。Jリーグには選手協会やOB会がある。日本代表にもOG・OG会がある。だが、日本リーグ全体のOB会はない。「丸の内5社」が、活動しているだけだ。片山会長は「この会を盛り上げることで、日本のサッカーを盛り上げたい。OBの力は偉大だよ」と言う。みんなサッカーに打ち込み、泣き、笑った選手たち。現役選手を一番支えたいと考えているのは彼らだ。

 日本リーグ時代は現役を引退するとビジネスマンとして活躍した。川淵三郎氏がJリーグチェアマンや日本サッカー協会会長、Bリーグの初代チェアマンとして手腕を発揮したのも、古河電工時代の経験が大きかった。プロとしてサッカーを極めたJリーガーも、サッカーと仕事を両方経験した日本リーグ時代の選手も、どちらも貴重な日本の財産だ。未来へ向かって、Jリーグと日本リーグ、なでしこリーグのOB、OGが一致団結して、現役選手や子供たちをバックアップする体制を作る時期だと思う。(大西 純一)

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2016年10月6日のニュース