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リオへ出発も…手倉森監督 治安懸念し“ブランド品禁止令”発令

[ 2016年7月22日 05:30 ]

<U―23日本代表出発>出発セレモニーで花束を渡される手倉森監督(左)

 リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子日本代表が21日、羽田空港からブラジルへ向けて出発した。手倉森誠監督(48)はチーム内に“ブランド品禁止令”を発令。現地では盗難事件などが多発しており、大会期間中に不慮の事故に巻き込まれないために、高価なブランド品の携行を禁じた。48年ぶりメダル獲得のために、リスクを最小限に抑える構えだ。

 早朝の羽田空港。バスから降り立った手倉森監督の左腕には、いつも身に着けているスイス製の高級腕時計がなかった。 「選手にはブランド品は持っていくなという話をしました。盗まれたかったら持っていけと。大会中に大事な物をなくしたら、心を動かされる。リスクマネジメントです」と“ブランド品禁止令”を出したことを明かした。

 ブラジルでは強盗、置引、ひったくりが横行している、と連日報道されている。特に五輪に出場するチームの場合、同じ服装でいつも一緒に行動するため、選手団であることは一目瞭然。サッカー日本代表では、移動の際にブランド品に身を包む本田圭佑(ACミラン)らのファッションに注目が集まるが、大勢の選手が高級ブランド品を身に着けて歩けば、空港などで犯罪者の標的になる可能性もある。そのための措置だ。

 2年前にW杯ブラジル大会が開かれた際、日本人が空港で盗難に遭った実例もある。手倉森監督自身も6月にブラジル視察に訪れ、1次リーグ第3戦が行われるサルバドル市内で警察の検問にあい、車から降ろされて拳銃を突きつけられた。通訳が気を利かせて「この人は五輪の日本代表監督だ」と伝えたが、答えは「関係ない」。壁に手をつかされて、体中をまさぐられたという。

 さらに日本との12時間の時差調整にも着手。20日夜からこの日にかけて、一行は睡眠時間を極力抑えた。指揮官は「飛行機に乗ったらすぐに寝られるように」と狙いを説明した。既にブラジルでの戦いに向けた準備は進んでいる。「新しい歴史を刻むためにメダルを獲って帰ってきたい」。ブランド品は日本に置いて、48年ぶりの快挙を持ち帰る。

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