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24年目のJ 村井チェアマン直言 世界との差埋める手立ては…

[ 2016年3月8日 09:16 ]

Jリーグ・村井満チェアマン

 24年目を迎えたJリーグはどこへ向かうのか。就任3年目を迎えた村井満チェアマン(56)が、隔週火曜日に発信する。まずは自身が何をするべきか、自身に語り掛けた。

 Jリーグ・チェアマンの村井満です。今回より連載を受け持つことになりましたが、この場でJリーグの現在位置と解決すべき課題について率直に話していきます。

 先日、チェアマンとして2期目の任期を拝命した。2期目の最大の課題は「世界との差を埋める」こと。内定会見の際に「サッカーにおける世界とのギャップを埋める道筋をつける」と話した。Jリーグは93年の開幕から23年間、ある程度着実に成長したが、相対的に見れば世界のサッカーの成長スピードの方がより速く、彼らとのギャップが広がっている可能性がある。新たな任期の2年間で全てを埋めることは難しいが、埋めるべき道筋を示したい。しかし、地図を眺めていても現在地が分からないとどちらに進んでいいのか分からないのだから、まずは現在の日本と世界を比較しながら現在の位置をしっかりと把握することから始めていきたい。

 具体的な打ち手については今後このコラム上でも取り上げるが、今年はまずは「選手育成」に着目してアクションを起こしていく。気がつけば、選手育成について我々と世界の差は大きく開いてしまった。既に多くのサッカー大国では選手育成を細かく指標化する育成評価システムが一般化している。あらゆる項目において各国間の競争が展開されているが、一方日本では育成のよしあしは各世代の試合結果やトップチームへの昇格数など、かなり曖昧なものとなっている。まずはこの差を埋めるべく、日本サッカー協会と共同で日本の育成に関する現在地を知る育成評価システム「フットパス」を導入することにした。

 併せて、当座の処方箋としてJ3リーグにおけるU―23チームの参戦や国際ユースカップの開催、各種国際大会への派遣など、若年層のレベルからトップチームや世界とのギャップを体感させる。つまりデータで世界との差を知るだけではなくて、彼らが身をもって世界との差を知ることで成長を促したい。

 現在地を知ることで愕然(がくぜん)とすることも多いが、己を知ることをまずは自分に課そうと考えている。 (Jリーグチェアマン)

 ◆村井 満(むらい・みつる)1959年(昭34)8月2日、埼玉県川越市生まれの56歳。早大卒業後、日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。同社執行役員、リクルートエイブリック(現リクルートキャリア)社長などを歴任。08年7月からJリーグ理事。14年1月からJリーグ・チェアマン。日本サッカー協会副会長、日本プロスポーツ協会理事。

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2016年3月8日のニュース