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まるで別人!?ハリル監督“恐怖政治”「我慢の限界がある」

[ 2016年3月8日 05:30 ]

国内組代表合宿初日から声を荒らげるハリルホジッチ監督

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が「鬼」と化した。国内組から選出された24選手による日本代表候補合宿が7日、千葉県内でスタート。就任2年目に入った指揮官は守備で初めて約束事を設けるなど、チームづくりの第2段階突入を明言。厳しい言葉を連呼し、合宿中の強制送還を示唆するなど、昨季までとは別人のような厳しさを見せた。

 「恐怖政治」が始まった。練習前、円陣の中央に立つハリルホジッチ監督は昨年とは別人だった。いきなり12分40秒の大演説。「私にも我慢の限界がある」「できないものはサヨナラだ」。壮絶な言葉が静寂したピッチに響き渡った。日本協会の霜田技術委員長は「第2段階に入った。求めるものは高くなる。ちょっとピリピリした感じになってきた」と話した。

 我慢の限界に近づいたものの一つがJ1の内容だ。昨年12月に開いた国内組との食事会。指揮官は各ポジションごとにプレーの改善点を要求した。だが今季2節までを視察し「レベルは高くない」と一刀両断。到底、満足できるレベルにはなかった。代名詞とも言える体脂肪率の数値も、合格ラインの12%を超える選手には厳しい対処が待っているという。

 今回、2泊3日の合宿は戦術に特化する。この日はゾーンプレスでブロックを下げる練習を進めた。高い位置でボールを失ったら逆サイドは中に絞り最終ラインは押し上げる。コンパクトな状況を意識付けた。「チームでの決まり事は初めて」と槙野。またDFがボールを奪う際、「10分の9がファウルを犯している。ファウルはするな」と指摘。厳しい要求に緊張感がみなぎった。

 恐怖政治はピッチ内にとどまらない。ある選手は「夜のミーティング後に帰らされる選手がいるかもしれない」と強制送還の恐怖におびえた。昼食中にも指揮官の演説は行われ「なかなか食べられなかった」という。常連組からは「顔つきが違う」との声も。今後、個別面談も実施。要求に応えられない者は容赦なく一掃する。就任2年目、ハリルホジッチ監督が別の顔を見せ始めた。

 ▽昨年12月の食事会でハリルホジッチ監督が出した要求 【GK】周囲とのコミュニケーション向上【センターバック】攻撃参加した後の素早い戻り【サイドバック】相手がサイドでボールを持った際にクロスを上げさせない位置まで寄せる【MF】裏に抜ける動きなどスプリント数を増やす【FW】決定力向上へ両足シュートを磨く。

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