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ジダンJrも対象…1年補強禁止処分で好調レアルに暗雲

[ 2016年1月19日 10:23 ]

監督就任会見の時にペレス会長(右から3人目)とポーズを取るジダン・ファミリー。左から三男・テオ、四男・エリアス、ジダン監督、ベロニカ夫人、1人おいて長男・エンツオ、次男・ルカ

リーガ・エスパニョーラ レアル・マドリード5―1ヒホン

(1月17日)
 年明けから激震に見舞われたのがスペインの名門レアル・マドリード。4日に解任されたラファエル・ベニテス前監督(55)に代わり、クラブOBで元フランス代表MFのジネディーヌ・ジダン氏(43)がBチーム(2軍)監督から昇格した。14日にクラブは18歳未満の選手の国際移籍や登録に違反があったとしてFIFAから1年間の補強禁止処分を受けており、新指揮官の下で再出発したばかりのチームに今後大きな影響が出そうだ。
【リーガ・エスパニョーラ順位表 得点ランク】

 ピッチ外の騒動を打ち消すような大勝だった。17日のヒホン戦はC・ロナウドが2得点を挙げるなど前半だけで5点を奪って5―1の快勝。10日のラコルニャ戦(5―0)に続くゴールラッシュで就任後2連勝を飾ったジダン監督は「素晴らしいスタートだ。5ゴールは簡単ではない。チームはもっと良くなるはずだ」と手応えを口にした。

 選手として欧州CL、W杯などを制したレジェンドだが、監督としてはトップチーム初采配。手腕は未知数で経験不足を不安視する声もあった。しかし、C・ロナウドは「ジダンがカンフル剤だ。落ち着いた人で仕事は真剣だが、それ以外は楽しい。なぜか分からないが、選手はジダンに他の監督より強い共感を抱いている」と証言。過去にモウリーニョ元監督と衝突するなど個性と我が強いスター軍団を掌握することに成功したようだ。

 新指揮官の下で最高のスタートを切った一方で、FIFAの処分でクラブの未来に暗雲が立ち込めている。18歳未満の選手の国際移籍などの違反があったとし、処分確定なら今後2回の移籍市場(今夏と来冬)で補強ができなくなる。ジダン監督は否定しているが、下部組織に所属する息子4人も調査対象に含まれていると報じられている。

 今回の処分によって、今夏のエース放出計画が未遂に終わるかもしれない。スペイン紙スポルトによると、人事権を握るペレス会長は関係が悪化したC・ロナウドのほか、出場機会が減った司令塔のMFハメス・ロドリゲスらの移籍を画策。代わってMFポグバ(ユベントス)、MFアザール(チェルシー)、FWアグエロ(マンチェスターC)、FWロイス(ドルトムント)ら各国代表の主力を大量に獲得して“新銀河系軍団”をつくる構想があったというが、同紙は「FIFAが会長の夢を砕いた」と伝えた。

 クラブは今後FIFAに異議申し立てを行い、却下されれば国際スポーツ裁判所に訴える方針。同様の処分に対して提訴したバルセロナは処分確定まで約8カ月かかり、処分保留の間に補強に成功。Rマドリードも同様の戦略で今夏の補強を狙うとみられるが、状況は予断を許さない。ジダン監督は「今のチームに満足している」と語っているが、スター好きのワンマン会長が1月の移籍期間で駆け込み補強に動く可能性もありそうだ。

 ▽選手の移籍規定 FIFAは移籍条項第19条「未成年の保護」において「国際移籍は18歳以上の選手に限って許可される」と規定している。ただし例外として、(a)サッカーとは関係ない理由で選手の親が引っ越した場合、(b)16歳以上18歳未満の選手がEU圏内で移籍する場合、(c)国境から50キロ内に自宅がある選手が、国境から50キロ以内の隣国のクラブに移籍する場合、を定めている。

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