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武藤が同点弾!1年1カ月ぶり 日本の1トップは俺だ!

[ 2015年10月14日 05:30 ]

<イラン・日本>後半、ゴールを決める武藤

国際親善試合 日本1―1イラン

(10月13日 イラン・アザディスタジアム)
 日本代表は13日、親善試合でイランと1―1で引き分けた。8日のシリア戦から先発メンバー5人を入れ替えた中、前半ロスタイムの失点で先制を許したが、後半3分にFW武藤嘉紀(23=マインツ)のゴールで追いついた。11月に控えるシンガポール、カンボジアとのW杯アジア2次予選に向けて課題を残したものの、前線で体を張った武藤が先発奪取へアピールした。

 待望の一撃でチームを救った。0―1の後半3分、1トップの武藤は本田の右クロスに反応。相手GKと激しく競り合いながら、背中で同点弾を押し込んだ。「どこに当たったか正直分からなかったが(クロスに)いい入り方ができた。きれいな形ではなかったけど、どんな得点でもゴールできたのはうれしい」。代表初ゴールを決めた昨年9月9日のベネズエラ戦以来、1年1カ月ぶりの2点目。若きエースは笑顔をはじけさせ、同じプラチナ世代の柴崎とがっちり抱き合った。

 その10分後には持ち味のスピードでDFラインの裏へ抜け出し、一気にゴールへ迫ったが、相手GKに阻まれた。決めていれば勝ち越しだっただけに「欲を言えば、あの1対1を決めないと」と反省も忘れなかった。

 シリア戦で先発した岡崎に代わり、ハリルホジッチ体制後、初の1トップで先発した。これまでは左MFが主戦場だったが、ハリルホジッチ監督から「真ん中で岡崎と競ってほしい」と、昨季までマインツでプレーした先輩FWとのポジション争いを命じられた。

 相手は今季プレミアリーグに新天地を求め、国際Aマッチで既に歴代3位の47得点を数える屈指のストライカー。それでも、「同じポジションで選ばれているからには、いつまでも2番手で甘んじているわけにはいかない」と果敢に勝負を挑むことを誓った。後半21分に岡崎が投入された後は右MFにポジションを移したが、1トップとしての適応力は十分に見せつけた。

 7月にFC東京からマインツに移籍。8月29日のハノーバー戦では、ブンデスリーガ初得点を含む2得点を決めた。その後は得点こそ決めていないが、アシストなどチームの勝利に貢献し続けている。ドイツ移籍後は各クラブの屈強なDFに対峙(たいじ)するため、上半身の強化にも努めている。FC東京時代は下半身の強化に重点を置いていた時期もあったが、「あまり重くし過ぎるのは良くない」と、自身の最大の武器であるスピードが落ちない工夫されたメニューでパワーアップに励んでいる。

 後半43分にA代表初招集の南野と交代。衝撃の代表初ゴール以降、一転して得点に見放されてきた背番号14だが、ここに来てようやく結果を出した意味は大きい。この勢いを持続させ、マインツでも11月の日本代表戦でも攻撃をけん引していく。

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