麻也　痛恨ＰＫ献上…球際の競り合いでことごとく敗れ

＜イラン・日本＞前半、吉田（左）が相手選手を倒してＰＫ献上

国際親善試合 日本１―１イラン

（10月13日 イラン・アザディスタジアム）
　不必要で、不用意なファウルだった。０―０で迎えた前半ロスタイム。自陣ペナルティーエリア内でボールを持ったＭＦトラビを、吉田が背後から倒した。相手はゴールに背を向けている状態で強く当たる必要はなかっただけに、痛恨のＰＫ献上。ＭＦデヤガのキックを一度はＧＫ西川が止めたが、こぼれ球をトラビに押し込まれた。

　就任から訴え続けてきた“デュエル”で圧倒された。「私が日本代表監督になって最も難しい試合になる。親善試合であっても勝つトライをしなければならない」と話していたハリルホジッチ監督は８日のシリア戦から先発５人を変更。「アウェーの環境で選手の本物のメンタルが見える」と柴崎、米倉、武藤ら若手を積極起用したが、序盤から苦戦した。日本の得意とするパスサッカーは長い芝の影響もあって影を潜め、ミスを連発。球際の競り合いでことごとく敗れて主導権を握られ前半３５分には最初の決定機をつくられた。１対１の勝負で劣勢に回り、ＰＫで失点。日本が狙いとしている形を相手に表現された。

　敵地でのイラン戦はハリルホジッチ監督が熱望したものだった。アウェーでの試合が続く中、当初、日本協会はスポンサーなどに配慮して国内での親善試合を模索。ノエスタ（神戸）を候補地として押さえていたが、指揮官からアウェーで強豪と対戦する必要性を訴えられたことで方針を転換した。観客数は戦前に予想された８万人とはいかなかったが、試合開始直前にはメーン、バックスタンドはほぼ地元サポーターで埋まった。鳴り物が響き、イランコールがこだまする異様な雰囲気の中、勝利を手にすることはできなかった。