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高くて速くて決定力も抜群!要警戒スイスのエースは“女Cロナ”

[ 2015年5月26日 09:35 ]

 なでしこジャパンが2連覇を狙う女子W杯カナダ大会は6月6日(日本時間7日)に開幕する。日本が1次リーグC組で対戦するスイス、カメルーン、エクアドルはいずれも初出場だが、同8日の初戦(同9日)で対戦するスイスは欧州予選を9勝1分けで無敗通過した侮れない相手。特に、今季の女子欧州CLを制したフランクフルトのFWアナマリア・ツルノゴルチェビッチ(24)はパワーとスピードを兼ね備えた要警戒選手だ。

【女子W杯カナダ大会 C組日程】

 なでしこが24日に1―0で退けたニュージーランド(NZ)は“仮想スイス”だった。若く、体格に恵まれ、FIFAランクもNZの17位に対し19位と似ているが、スイスは代表候補32人に30代はゼロ。キウィッチ(デュイスブルク)とアビー(バイエルンM)の両センターバックは1メートル85、1メートル79と高さを誇り、主力はドイツやフランスでもまれている。W杯初出場ながら予選無敗、今年3月のアルガルベ杯は日本を上回る8位、4月にはスウェーデンを3―1で破るなど勢いがある。

 攻撃の軸は24歳のFWバッハマン(ローゼンゴード=スウェーデン)、29歳のMFディッケンマン(リヨン)、そして代表通算68試合34得点のツルノゴルチェビッチだ。1メートル75と長身でヘディングが強く、ポジションは左ウイング。所属するフランクフルトのベル監督が「プレーがダイナミックでスピードがある」、同僚のなでしこジャパンMF安藤梢も「チームで一番足が速い」と話すように、左サイドを突破して得点も決める“スイスの女C・ロナウド”だ。

 「W杯はサッカー選手にとって最高の夢。目標は1次リーグ突破」と語るツルノゴルチェビッチが地元クラブに加入したのは11歳の時。「父が嫌がったので」テニスと一緒に始め、クラブも「母にお願いして内緒で」入れてもらったという。しかし、すぐに頭角を現すと、18歳でスイス女子1部得点女王に。「国内ではサッカーで食べていけない」と09年にハンブルガーSVへ移籍し、11年に加入したフランクフルトではサイドバックにも挑戦して守備の意識が高まった。クロアチア系で2つの国籍を持つが、「住んでいる所が好き」と17歳からアンダー世代のスイス代表でプレー。U―19欧州選手権やU―20女子W杯など大舞台も既に経験している。

 ハンブルガーSV移籍直後、独ビルト紙上でボディーペインティングを披露して話題を集めた。裸体にクラブのロゴを描き「チームを宣伝するつもりだったの」と苦笑するが、「サッカーで女を売り物にしても役に立たない」ときっぱり。大金が動く男子に比べ「競技への純粋な情熱は凄い。体力で劣っても技術やゲーム理解力は負けていない」と女子選手であることに誇りを持っている。「私たちは若いチーム。もっと進化できる」と乗り込むカナダでは、プレーで世界中の視線を集めるつもりだ。

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2015年5月26日のニュース